岐阜新聞Web

  • 美濃
  • 飛騨
  • 美濃
  • 飛騨


「偽陰性」気付かず病院クラスター拡大か 終息宣言、岐阜県が分析



 岐阜県は22日、美濃加茂市の木沢記念病院で確認されていた新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)について、新たな感染者が2週間確認されなかったとして終息を宣言した。入院する前にPCR検査で陰性を確認した複数の患者が感染していた疑いや、食事の介助などを通じた感染の伝播がクラスター拡大の要因とみられるという。県健康福祉部の堀裕行次長は「どこの病院でも(同様の院内感染が)起こり得るとの前提で対応する必要がある」と指摘した。

 県がこのクラスターの感染拡大要因などを発表するのは初めて。堀次長と、県の専門家会議のメンバーで、ぎふ綜合健診センターの村上啓雄所長が記者会見で説明した。

 クラスターは、2月2日に最初の感染者が確認され、院内11の病棟全てに拡大。東海地域で最大級となる計231人が感染した。内訳は、医療従事者97人と患者94人、その家族ら40人。22日までに死亡者が26人に上っていることについては、この日初めて発表した。病院は、新規の入院や救急の受け入れを一時停止せざるを得ず、地域医療にも大きな影響を与えた。

 病院では全ての入院患者にPCR検査を行い、陰性を確認した上で入院してもらっていた。村上所長は、陽性者が陰性と判定されるPCR検査の特性「偽陰性」の可能性を指摘。「病院側が気付かないままウイルスが院内にある状況が数日間あった。(最初の感染に)気付いたときに(感染者は)かなり多数いたことが(クラスター拡大の)要因と思われる」と述べた。

 また、村上所長は、食事や入浴の介助、痰(たん)の吸引、口腔(こうくう)ケアなど、医療従事者と患者が至近距離で接する機会が感染拡大につながった可能性を指摘。難聴の患者と医療従事者が大声で意思疎通をする際のリスクもあったとした。体調が良くない医療従事者が出勤した例も複数あった。

 感染拡大の要因などは県病院協会などを通じて県内の病院に周知したという。村上所長は「終わったわけではない。学んだ多くのことを生かして、最大限の注意を払い続けないといけない」と警戒を呼び掛けた。

カテゴリ: 医療 新型コロナウイルス 社会