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【42市町村まるかじり】羽島市 伝統と産業織り成す美



 毎年5月3日に岐阜県羽島市竹鼻町の八剣神社の例大祭に合わせて開かれる竹鼻まつり。絢爛(けんらん)な大幕と見送り幕が見もので県重要有形民俗文化財に指定されている13両の山車が、半数ずつ隔年で町中を練り、曳(ひ)きそろえられる。

◆山車にきらびやかな幕

 今年の祭りは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続いて中止が決まった。だが、山車は竹鼻まつり山車会館(竹鼻町)で2両ずつ定期的に入れ替えて展示しており、間近で観覧できる。会館は同市の一般財団法人国際クラブから市に寄贈され、新たな観光名所として昨年秋に開館した。

 山車側面の大幕や後ろの見送り幕には、雲竜図や鳳凰、中国の故事にちなんだ「竹林七賢人」、唐獅子などが金、銀の糸などで刺しゅうされている。「きらびやかで、どこにも負けない貴重な品。江戸時代から繊維業が盛んだった羽島の商人らの心意気が表れている」。竹鼻祭山車保存会の小森博昭会長(77)はこう語り、祭りと山車の伝承を誓う。

◆毛織物国内生産の2割

 地域は古くから綿織物業で栄え、明治時代から軍服など軍需用に毛織物の生産が始まった。以後、羽島市は愛知県西部を含めて、全国有数の毛織物産地「尾州産地」と呼ばれるようになった。

 県毛織工業協同組合(同市)によると、ピークの昭和40年代、市内の毛織物業者は千社を超えた。近年安価な海外製品の影響で業者は激減したが、市の毛織物生産量は現在も国内の2割弱を占める。同組合の岩田善之副理事長(64)は「羽島で作られた生地は世界の有名ブランドに採用されている」と胸を張る。

 組合は11万点の素材サンプルを展示するテキスタイルマテリアルセンター(竹鼻町)を運営。毎年、約3千点の最新素材が加わる国内最大の生地資料館だ。商品開発を目的に訪れるアパレルメーカーの担当者やデザイナーの相談に乗り、生地製造業者を紹介する。山田幸士専務理事(52)は「デザインの参考にしたいとインテリア、建築関係者の来館も増えた」と話す。

 県の「南の玄関口」と言われながら長年、開発が進まなかった東海道新幹線岐阜羽島駅の周辺は近年、様相を変えつつある。

 ビジネスホテルが相次いで開業。2016年には駅から徒歩5分の場所に全国チェーンのレストランや居酒屋、カフェなどが集まる「岐阜羽島ガーデンモール」(福寿町)がオープンした。敷地面積約2万3千平方メートル。飲食業以外を含め18店舗・事業所がテナントとして入る。

 開発した「大日産業」(小熊町)の林幹根社長(50)は「駅前周辺に無かった飲食店のニーズと、ビジネスホテルなどの進出で生み出される新しい人の流れを想定して造った」。

 幹線道路沿いにあり、ホテル宿泊客のほか市内外から多くの利用客が訪れる「ホットスポット」になっている。林社長は、地域性をテーマにした新たな集客施設の誘致を検討しており、「地元の人に楽しんでもらえる温かみのある空間をつくりたい」と意気込む。

カテゴリ: 動画 政治・行政