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外国人新入生増、全校で4割超す 進む「国際化」周辺居住、支援体制も整う



大勢の外国人生徒を迎えた東濃高校の入学式=8日午後1時42分、可児郡御嵩町御嵩、同校
大勢の外国人生徒を迎えた東濃高校の入学式=8日午後1時42分、可児郡御嵩町御嵩、同校

 岐阜県内の公立高校で8日、入学式が行われた。可児郡御嵩町御嵩の東濃高校では、新入生123人のうち61人が外国籍、または日本国籍を持っていてもルーツが外国にある「外国につながりのある生徒」で、半数近くに達した。県内の全日制公立高校では突出して多く、同校では指導、通訳ができる適応支援員を置いたり、国際クラスを設置するなどして、年々増える外国人生徒を迎えている。

 入学式が始まる前の会場内でのアナウンスは日本語、タガログ語、ポルトガル語が使われた。同校には、周辺の可児市や美濃加茂市から通う、フィリピンやブラジル国籍の生徒が多い。両市は元々外国人居住者が多く、同校の受け入れ体制が充実していることや、名鉄八百津線が廃線になり、加茂郡八百津町にある別の高校への鉄道アクセスがなくなったことが、同校に外国人生徒が集中する一因になった。

 昨年度、全校生徒315人のうち外国人生徒は3割を超す112人で、本年度は4割を超える。2011年度に国際クラスを設け、外国人生徒を指導する体制は確立しているが、毎年の受け入れ準備は決して順調に進むわけではない。個人情報の取り扱いの難しさなどから、国籍などの情報を事前に聞き取ることが全国的にできない状況になっているためだ。

 青井俊久校長は「入学後、生徒が自分で言うまで国籍が分からないので、スタートがスムーズにいかない」と話す。現在把握している新入生の「外国につながりのある生徒」数は、合格発表時に「母語による支援」を申し出た生徒や、名簿や入試の願書で本人や父兄の名前から判断した数で、正確な数は今後の面談などで分かる。東濃高の外国人生徒支援コーディネーターとして4月から採用された女性(43)は「国籍や在留資格などの情報を知っておかないと、教員はどういうスタンスで指導すればいいのか分からない」と、個人情報の扱いを優先することと、学校現場の実態とが乖離(かいり)している現状を指摘する。

 外国人生徒を対象にした国際クラスでは、日本語教育、教科指導、適応指導を行う。こうした指導が成果を挙げ、3年間の学校生活の中で国際クラスの生徒が通常学級へのクラス替えを希望したり、日本人の生徒は、外国人に対して物おじしなくなった。青井校長は「多文化共生を大切にする教育が必要。国際感覚も磨ける」と胸を張る。

 心配なのは、通学アクセスの維持。生徒の7割以上は名鉄広見線を利用しているが、同線の新可児-御嵩間は、2022年度以降の運行継続について協議中。廃線になれば外国人生徒の多くは同校に通えなくなる可能性がある。青井校長は「外国人生徒を多く受け入れる東濃高校の存在価値につながる問題」と話し、今夏をめどに結論が出る広見線の動向にも気をもんでいる。

カテゴリ: 教育 社会