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豚熱後、野生イノシシ4分の1に 岐阜県内3市、駆除捕獲など要因か



  • 自動撮影カメラを用いて高山市で撮影されたイノシシ(岐阜大提供) 
  • 豚熱発生前後のイノシシの相対的な頭数を調査した池田敬特任准教授=岐阜市柳戸、岐阜大 

 2018~19年に岐阜県内で猛威を振るった豚熱(ぶたねつ)(CSF)の発生後、郡上市、下呂市、高山市における野生イノシシの頭数がおよそ4分の1にまで減少したとする研究結果を、岐阜大のグループが発表した。豚熱対策の捕獲や豚熱の罹患(りかん)が主な要因とみられる。豚熱発生前後のイノシシの頭数を広域的に調査したのは全国初という。野生イノシシは豚熱を媒介するとされ、今後は県内全域の生息状況の把握を進め、より効果的な対策に生かしていく。

 豚熱は18年9月、国内では26年ぶりに県内の養豚場で確認され、今年3月末までに12県の養豚場で発生。感染したイノシシは24都府県で計3千頭以上が見つかっている。

 調査したのは、同大応用生物科学部付属野生動物管理学研究センターの池田敬特任准教授と同学部の鈴木正嗣教授、淺野玄准教授の研究チーム。県環境企画課とともに、17年8月から県内の野生動物の調査を続けており、豚熱発生前後を比較した。

 チームは3市の林や山道などに計21台のカメラを設置。赤外線センサーを用いて自動撮影する「カメラトラップ調査」を実施した。17年8月から20年3月までに撮影された画像から相対的な頭数を算出。100日当たりの頭数が17年は8・88頭だったが、豚熱発生後の19年は2・03頭にまで減少していた。

 池田准教授によると、県全体でイノシシの数は減少傾向にあるが、今回判明した急激な減少はイノシシの豚熱罹患と調査、駆除のための捕獲活動が原因とみられる。「豚熱の発生リスクだけでなく、野生イノシシの絶滅という双方のリスクを考慮する必要がある」と提言。「今後も、イノシシの頭数や分布を継続的にモニタリングし、豚熱対策に反映できる体制を構築する必要がある」としている。

 今回の研究成果は3月、学術誌「ジャーナル・オブ・ベテリナリー・メディカル・サイエンス」に掲載された。

カテゴリ: 社会 科学