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「1足ずつ向き合いたい」独立決意、靴工房・教室開講 都会から移住



  • 受講者と談笑しながら、靴作りを教える望月茜さん(中央)=美濃市常盤町、ジョウノ靴工房 
  • 靴の木型やミシンなどが並ぶ工房で「地元の人と靴作りの楽しさを共有したい」と話す望月茜さん 

 昨年5月、岐阜県美濃市常盤町に移住した靴職人望月茜さん(30)が、うだつのあがる町並みの一角に靴工房を構え、靴作り教室を開講する夢をかなえた。自分の理想とする靴作りができることや、地元住民と靴作りの楽しさを共有できる時間に喜びを感じている。

 望月さんは三重県いなべ市出身。武蔵野美術大在学中、友人の勧めで靴作り教室に通い始め、その面白さにのめり込んでいった。卒業後、東京都内の婦人靴メーカーに就職。8年ほど職人として働きながら、木型や型紙を学ぶための工房にも通い、技術を磨いた。

 次第に「1足ずつ向き合って作りたい」、「既製の靴でトラブルがある人のために作りたい」との思いが強まり、独立を決意。満員電車など都会の暮らしにも疑問を持ち始め、夫でデザイナーの和也さん(30)と移住先を探した。住民や土地柄にひかれ、美濃市に移った。

 購入した住居に隣接する倉庫を工房として改修。和也さんが設計を手掛け、建物の魅力を生かして靴作りと交流ができる空間を相談しながら作り上げた。県産品の家具や照明、靴作りに使うミシン、革をすく機械を置き、旧姓を取って「ジョウノ靴工房」と名付けた。2階は和也さんが事務所として利用する。

 教室は金、土曜日に開講。生徒を募ると、地元の30~70代と幅広い世代の住民から多くの申し込みがあった。「都市部の女性が多いと予想していたので、うれしい驚き」と喜びを語る。

 16日の教室に参加した夫妻=同市片知=は、望月さんと談笑しながら、試作の靴作りに挑戦した。「靴作りはずっと興味があったが、まさか美濃市でできるなんて。本当にうれしい」と笑顔を見せた。

 移住から約1年。「当初は美濃になじめるか不安もあったが、違和感も不便もない。近所づきあいも増え、充実した日々」と望月さん。「工房を構えたことで覚悟も決まった」とも話し、「本当に靴作りが好き。ものづくりは暮らしや気持ちが豊かになる。その気持ちを美濃の人と共有したい」と意気込む。

カテゴリ: くらし・文化 社会