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付知、自動運転で活性化 中津川市と東大、リニア見据え新交通網案



  • まちを歩いて自動運転でつなぐ候補地を考える参加者=3月、中津川市付知町 
  • 地元商店主らでつくる「付知GINZA会」が数年前に作ったまち歩きマップ(同会提供)。自動運転で地域内をつなぐまちのイメージになっている 

 岐阜県中津川市は、東京大と連携し、付知地区(旧恵那郡付知町)をモデル地区に自動運転技術を活用したまちづくりの共同研究を本格スタートさせた。2022年度までに道の駅や古民家を交通ネットワークの地域拠点として改修し、自動運転の実証実験につなげる。リニア中央新幹線の岐阜県駅(仮称)開業が与えるインパクトを考え、次世代交通の技術で中山間地域を活性化させることを目指す。

 同市は05年の平成の合併で南北に49キロ伸びる自治体となり、現在も旧7町村の地域性が色濃く残る。付知地区も市中心部から20キロ以上離れているが、中央自動車道を降りて下呂・高山方面を訪れる上で通過地域にあり、自動運転による交通ネットワークの拠点となれる可能性がある。共同研究では国道257号沿いの道の駅花街道付知に付知地区内をつなぐ地域拠点と、旧町村地域やリニア県駅、馬籠宿近くの中央自動車道神坂PAのスマートインターチェンジ(整備中)をつなぐ地域拠点の二つの機能を持たせて新しい交通網をつくる基点としたい考え。

 まずは住民の移動パターンを把握するため、昨年には住民ら59人を対象にスマートフォンの位置情報に基づく行動調査を実施。地域内の行き先や移動手段はもちろん、自動車中心の生活であることやコロナ禍でも21人(36%)が月1度、岐阜・名古屋方面に行ったことが分かった。先月30日には付知公民館でワークショップを開催し、住民や東大の学生、研究員らが自動運転の活用法や運行ルートについて意見交換した。国道から1本入った商店街通り(通称・付知銀座)や付知川沿い、付知峡方面を歩き、自動運転でつなぐ候補地のイメージを膨らませた。

 参加したスーパー経営の西尾真朋さんは「国道から離れているので商店街の存在を知らずに通り過ぎる人が多い。道の駅から商店街にアクセスできる環境が整うといい」と、観光活用にも期待。中津川北商工会の早川正人会長は「リニアの駅ができる坂本地区だけでなく、市内全域でリニア開業を見据えた将来のまちづくりを考えるきっかけになるといい」と歓迎する。

 市によると、東大大学院工学系研究科社会基盤学専攻交通・都市・国土学研究室との共同研究費は3年度分で3千万円。今後は自動運転の走行コースを具体化させて、地域拠点となる道の駅と古民家を改修し、近未来の交通体系を描く。

 同研究室の羽藤英二教授は「他の地域でもやったことがない新しい試み。自動運転を取り入れてまちをどう活性化していくのかが今回のチャレンジ」と意義を話す。市次世代交通研究室の北原大輔室長は「自動運転が実装される社会を見据え、付知地区をモデルに新しい仕組みをつくりたい」と話している。

カテゴリ: おでかけ 社会