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アクセサリーやギョーザ...無人販売店が続々と誕生 自分のペースで買い物「非対面」歓迎



  • 1日にオープンした餃子の雪松各務原店=各務原市那加栄町 
  • 無人アクセサリー店を柳ケ瀬商店街に開いた榊真奈江さん=岐阜市神室町、エレミル 

 無人のアクサセリー店やギョーザ店など、店員のいない無人業態の販売店が、県内で続々と誕生している。店側は人件費を削減でき、客も店員に気を使わず、自分のペースで買い物を楽しめる。コロナ禍が長期化する中、「非対面」を歓迎する向きもあるようだ。

 岐阜市の柳ケ瀬商店街に3月末、アクセサリー店「Eremill(エレミル)」がオープンした。約13平方メートルの店内に店員はおらず、約500点の指輪やイヤリング、ネックレスなどがずらりと並ぶ。

 値段は千円、1500円、2千円の3パターン。客は色分けされたタグで値段を確認し、集金箱へ代金を入れるか、キャッシュレスで決済する。散策のついでに初めて立ち寄った女性会社員(23)は「通販と違って、商品を自分で見て確認できるのが良い。従業員がいないから、ゆっくり見られる」と話した。

 店長の榊真奈江さん(32)は10年間アクセサリー販売業に携わったが、企画や仕入れも担当したいと、転職。結婚や出産など今後の自分のライフステージを考え、自宅でもできる「リモートワーク」を検討して、たどり着いたのが、無人販売店だった。

 榊さんによると「アクセサリー店は小さい店が多く、店員との距離も近くなるため、接客を望まない人も多い。最近は、会員制交流サイト(SNS)やインターネットの口コミを見て来てくれる人も増えた」。無人販売のノウハウを確立させ、年内には2店舗目をオープンさせる予定だ。

 営業中は店内にある防犯カメラを確認し、スピーカー越しに応対。客が入店したらセンサーが反応し、スマートフォンに通知される。「コロナ禍で非対面が重視されたのも大きかった。遠隔で対応できるので、子どもがいる女性なども、無理なく働ける」と話す。

 全国で無人ギョーザ販売店を運営する餃子の雪松(東京都国分寺市)は4月22日に関市と多治見市に、今月1日には各務原市と高山市に新店をオープンさせた。店内には大型フリーザーが設置されているだけ。客は商品を取り、料金箱にその分の代金を入れる。

 無人販売という業態について、同社マーケティング部の高野内謙伍部長(46)は「最も手軽にギョーザを購入できるのが24時間の無人販売だと考えた結果」と話す。無人店は、2019年7月に1号店を東京都内に出店し、3年弱で岐阜県内4店舗を含む124店舗(5月1日時点)にまで増えた。

 「コロナ禍による巣ごもり消費の需要増が、出店を加速させた部分はある」と高野内部長。非対面の購入方法も「誰とも会わずに購入できる」「混雑せずさっと買って帰れる」と利用客に好評という。

 アフターコロナを見据えて、無人販売店は今後も増えるのか。マーケティングを専門とする岐阜大社会システム経営学環の柴田仁夫(きみお)准教授は「感染予防しながら商品を見て買えるメリットはあるものの、防犯上、低価格帯の商品に限られる。人件費削減という点で『無人』への期待が高まっているのは間違いないので、個人レベルでの出店は、今後も増えていく可能性がある」と話した。

カテゴリ: 新型コロナウイルス 経済