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重症病床は限界 第4波特徴「抗ウイルス薬、効果鈍い」



重症患者が入る高度治療室(HCU)で防護服を着脱する看護師=5月下旬、岐阜市鹿島町、市民病院
重症患者が入る高度治療室(HCU)で防護服を着脱する看護師=5月下旬、岐阜市鹿島町、市民病院

 新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置の延長が決まっている岐阜県。30日発表の新規感染者は54人で、連日100人を超えていた今月中旬と比べると減少傾向にある。病床使用率も減少しているが、依然として国の基準のステージ4(爆発的拡大)に当たる56・8%と予断を許さない。重症者も10日連続で20人を超えており、コロナ患者を治療する病院からは「重症病床は限界」との声が上がる。

 「現場は感染者が減っている印象がない」と打ち明けるのは、岐阜市民病院(同市鹿島町)の太田宗一郎病院長。重症者向けの高度治療室(HCU)は6床あるが、5月の大型連休明けから連日4~5床が埋まり続ける。うち1床は救急患者を受け入れるために残しており、事実上の満床状態。太田病院長は「スタッフはずっと疲弊している」と厳しい状況を説明する。

 第4波では、人工呼吸器で管理する重症ほどではないが、酸素吸入を必要とする中等症に当たる患者が増えているのも特徴だという。第1波から治療を担当する市民病院の医師は「重症の一歩手前で踏みとどまっている人が多い」と指摘。さらに、抗ウイルス薬「レムデシビル」を投与しても、症状の改善が鈍い患者がみられる点も第4波の特徴だという。このため、退院までの日数が伸びる傾向にあり、医療現場を圧迫する一因となっている。

 29日に市役所で開かれた市の対策本部会議では、別の総合病院で重症患者用の病床が満床となり、一般患者用の集中治療室をコロナ用に転用したことが報告された。この病院では救急車の受け入れができなくなるなど、一般患者の診療も制限される事態となった。

 市民病院事業管理者の冨田栄一県病院協会長は「重症者を受け入れる病院はぎりぎりの状態。一部ではオーバーフローしかけている」と強い危機感を示す。太田病院長は「これ以上感染者は増えてほしくない。飲み会の自粛など、行動変容で感染対策を取ってほしい」と訴える。

カテゴリ: 医療 新型コロナウイルス