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感染症対策課職員、月100時間残業「過労死ライン」超過 岐阜市保健所



ドライブスルー方式で濃厚接触者にPCR検査を行う職員ら=5月下旬、岐阜市鹿島町、市民病院
ドライブスルー方式で濃厚接触者にPCR検査を行う職員ら=5月下旬、岐阜市鹿島町、市民病院

 岐阜市保健所で新型コロナウイルス対策とワクチン接種を担当する「感染症対策課」の職員(非管理職)のうち、4月は約3割に当たる10人の時間外労働(残業)が、「過労死ライン」の目安とされる月80時間を超えていたことが、市への取材で分かった。10人全員が100時間を超えており、最長は156時間だった。第4波への対応とワクチン接種の準備を一手に担い、業務が過大になっている実態が明らかになった。

 市人事課によると、4月1日時点の感染症対策課の職員は他部署からの応援を含めて37人。このうち残業の調査対象は主幹級以上の管理職4人を除く33人。課全体(33人)を見ても4月の平均残業時間は89時間に上り、市全体(市民病院の職員除く)の20時間に比べて著しく多かった。3月にも同課の6人が100時間を超えていた。

 市も手をこまねいているわけではない。同課の職員を6月4日までに異動や非正規の「会計年度任用職員」の採用などで、4月の1・5倍以上となる62人まで増員した。柴橋正直市長は5月15日、コロナの対策会議で同課の増員に言及、「他の部の業務を一部止めたとしても、コロナ対策を最優先に、持てる資源を投入していく」と語っていた。

 同課はコロナの患者対応とワクチン接種の業務を分担。患者対応は、医療機関から寄せられた陽性者の情報を元に、病院か宿泊療養施設に連絡して、入院入所できるかを調整する。感染者には電話で体調を確認し、行動履歴を聞き取る調査も行う。濃厚接触者には岐阜市民病院でドライブスルーのPCR検査をしている。

 ワクチン担当は、7月末までに65歳以上の高齢者に接種を終えるための計画作りに加え、個別接種を行う医療機関からの問い合わせにも対応する。ある職員は残業が増える要因に触れ、「過去に経験のないことを手探りでやっているから時間がかかる。国の方針が変われば計画を作り直し、やり始めると問題が出て、解決するとまた問題が出ての繰り返しだ」と嘆く。

 市保健所の中村こず枝所長は現在の状況について「新規感染者が底を打っておらず多忙だ。ワクチンは本格的に動き出しているので人が必要」と話している。

カテゴリ: 医療 政治・行政 新型コロナウイルス 社会