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お部屋にベストマッチ!ヒノキやウオールナット、多彩な木枠時計



ホワイトアッシュの無垢材を使った木枠時計を披露する加藤隼人社長。一番人気の商品だ=郡上市八幡町稲成、加藤木工
ホワイトアッシュの無垢材を使った木枠時計を披露する加藤隼人社長。一番人気の商品だ=郡上市八幡町稲成、加藤木工

 郡上八幡の小さな町工場が手掛ける木枠時計が、岐阜県郡上市のふるさと納税の返礼品で人気上位を占めている。同市八幡町稲成の木工会社「加藤木工」の主力商品で、どんな部屋にも合うシンプルなデザインが魅力の一つ。県産ヒノキをはじめ、さまざまな樹種の木枠を手作業で仕上げる。

 使う樹種は他にホワイトアッシュやウオールナット、オークなど約10種類。木枠の形状や文字盤、駆動方式の違いで品数は200~300種類あるという。加藤隼人社長(37)は「これだけの木製掛け時計を作っているところはそうはない」と語る。

 郡上八幡玩具協同組合の共同工場の一角に構える加工場で、約10人の従業員が汗を流す。薄いベニヤ板を曲げて作る「曲げわっぱ」の技法を用いる場合は内側と外側の2枚の板を接着させ、専用の機械で円状に成形する。従業員が製品を一つ一つ表面と裏面、内周と外周を磨いて仕上げる。

 返礼品に加わったのは2019年10月。一般販売も含め年間の販売台数は2~3万台を誇る。品数の多さから「消費者目線で選択の幅が広くニーズに合った好みの商品を選んでもらっている」と話す。

 かつては下請けが中心だったが、2012年に自社ブランド「KATOMOKU」を立ち上げた。木枠時計のほか、踊り下駄げたや朱肉、インテリア用品まで展開する。当初は思うように注文が取れなかったが、電子商取引(EC)サイトを活用して徐々に売り上げを伸ばしていった。

 森林資源が豊富な市内には、木製の玩具や雑貨を製造する事業者が集まる。1946年創業の同社は、地域で先駆けて木製玩具の製造に着手したという。創業者の孫に当たる加藤社長は「戦闘機の木製プロペラの製造に携わっていた祖父が戦後起こした会社で、当時は子ども用の積み木を作っていた」と明かす。

 2018年3月には、八幡町の中心市街地に直営のショールーム兼ショップ「KATOMOKUのお店」を開店。昨年2月には目抜き通りに移転したが、直後に新型コロナウイルス禍に見舞われた。書き入れ時と見込む郡上おどりも2年連続で中止となった。

 経営に打撃を受ける中、加藤社長は「この地で玩具製造を始めたという自負がある」とし、木工ならではのぬくもりを感じられる製品を通じて「良い物を買えたと喜んでもらえる人が一人でも増えてほしい」と願う。

カテゴリ: 経済