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伐木の労災、VRで断つ 事故例を体感、危険回避



  • 林業機械シミュレーターで伐木を体験する参加者=美濃市曽代、県森林文化アカデミー 
  • 専用の装置を使ってチェーンソーの操作技術を体験する参加者=美濃市曽代、県森林文化アカデミー 
  • 映像を映し出した画面=美濃市曽代、県森林文化アカデミー 

 岐阜県森林文化アカデミー(美濃市曽代)は、伐木で使うチェーンソーの操作が疑似体験できるVR(仮想現実)シミュレーターと、高性能林業機械の運転操作シミュレーターを県内で初めて導入した。伐木作業の際の危険予測や新人教育などに活用できる。県内の森林組合などへの貸し出しもする予定。

 チェーンソーのシミュレーターは、死亡事故となった過去の労働災害8例を疑似体験する。体験者は頭部に専用装置を着けて手に模擬の機械を持ち、画面の指示に従って作業する。伐採した木を丸太にする「玉切り」、伐採木と近くの木がつるでからまっている「つるがらみ」、伐採した木が思わぬ方向に倒れて他の木にひっかかる「かかり木」など、死亡事故につながった作業を追体験し、危険性を"実感"する。

 林業機械のシミュレーターでは、ハーベスタ(伐倒造材機械)、フォワーダ(積載集材作業車)の操作を、実機と同じレバーを使ってトレーニングできる。ハーベスタは乗車しての指導が困難な上、練習で木を傷付けると山の財産価値を下げてしまうため、これまで練習機会がほとんどなかった。

 アカデミーはシミュレーターの研修会を開き、県内森林組合の職員ら約30人が参加。中濃森林組合(美濃市)の五十嵐大さん(25)は「普段、伐木で先輩から注意されていたことはこれか、と学ぶことができた」と話した。

 アカデミー内にある森林技術開発・支援センターの大島愛彦さんは「熟練技術者にも、この作業は危険ということを再認識してもらえる有効なツール」と話した。

カテゴリ: くらし・文化 社会