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【エンジョイ!オリパラ】車いすバスケットボール コート上の「格闘技」 障害の程度を考慮、奥深い戦術



 「エンジョイ!オリパラ」の東京パラリンピック編第1回の競技は、岐阜県勢を含む日本代表のメダル獲得が期待される車いすバスケットボール。選手同士の激しいぶつかり合いから、ファンの間では「コート上の格闘技」とも呼ばれる競技だ。県内を拠点に活動する岐阜SHINEの練習に参加させてもらい、競技の魅力に迫った。

 使用するコートは縦28メートル、横15メートル。リングの高さは3・05メートルで、ボールを含めて一般のバスケットボールと同じ。ルールも土台となる部分は変わらず、1チーム5人ずつで3ポイントエリアも一緒だ。世界的に人気が高い「障害者スポーツの花形」として国内でも長く親しまれており、1964年の東京パラリンピックでも実施された。

 チーム代表の池戸義隆選手は車いすバスケならではの特徴として「障害のレベルに応じた持ち点とチーム編成」を挙げる。選手には障害の程度により、重い順から1・0~4・5点の持ち点が定められる。試合中はコート上の5人の選手の合計が14・0点を超えないよう、メンバーを編成しなければならない。

 車いすバスケでは、ダブルドリブルの反則はない。ドリブルをして一度ボールを保持しても、再びドリブルすることができる。一方、ボールを保持した状態でタイヤを3回押したり引いたりすることがトラベリングの反則となるが、これはプレーヤーがボールを持ったまま3歩以上移動すると反則となるバスケットボールと同じような基準だ。

 車いすは普段目にする一般的なものとは異なる。競技用モデルはタイヤが「ハの字」に取り付けられており、回転性能が高く機敏な動きが可能になる。座面の高さやタイヤの大きさには制限があるが、「それ以外は自分の乗りやすいように調整できる」という。タイヤの傾斜角や座面を、選手の体格、障害の程度によって調整を重ね、自分の体の一部として使いこなす。

 障害の程度が異なる選手が同じコートに立つため、役割分担が勝負の鍵を握る。池戸選手は競技の醍醐味を「障害が軽い人と重い人が一緒に戦術を考え、一つのチームとして戦うところ」と語る。障害の軽い選手の得点力はもちろん、重い選手も他の選手がシュートを打ちやすいようにスペースを作るなど、戦術は奥深い。「得点シーンだけではなく、緻密で細かいプレーも見所」と解説する。

 車いす同士の激しいぶつかり合いやスピード感あふれる攻守の切り替えなど、コート上では矢継ぎ早に迫力のプレーが繰り広げられる。ボールの行方や得点経過を追うだけでも十分楽めるが、ボールを持っていない選手の駆け引きや、持ち点による戦術にも注目することで、観戦は深みを増すだろう。

カテゴリ: スポーツ 動画




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