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風呂上がりの相棒!レトロな瓶牛乳「五感で楽しめる」 関牛乳、今もこだわり製造



 腰に手を当て、一気に飲み干す-。そんな姿が思い浮かぶ瓶牛乳。今も製造する乳業メーカーが、関市内にある。紙パックが主流となり、瓶のふたも紙製からプラスチック製に切り替えが進む中、作り続ける理由を尋ねると、飲みやすさを追求したある工夫が全国に広がったという秘話も明らかになった。

◆瓶の冷たさや重さ、牛乳の匂い、のどごし...

 1938年に創業した関牛乳(関市観音前)。創業時は「吉田牧場」という屋号で、飼育する牛から搾乳。ガラス瓶に詰め、手作業で1本ずつ王冠をはめて蒸気殺菌を行い、販売していたという。

 紙栓の瓶牛乳は50年から販売。地元の関市や周辺市町の酪農家から生乳を仕入れ、コクや甘味を引き出せるという30分間65度による低温殺菌を行い、成分無調整で牛乳を届けている。

 「五感で楽しめるおいしさが最もあるのは瓶入りの牛乳」と社長の吉田宰志さん(50)。「瓶を持った時の冷たさや重さ、牛乳の匂い、のどごし。中身は同じ牛乳でも違う」

◆温泉や銭湯での人気根強く

 同社の瓶牛乳(180ミリリットル)の出荷本数は、コーヒー乳飲料なども含め年間約68万本。10年ほど前と比べ、紙パックを含めた全出荷量は4割近く増えているが、瓶入りは半減した。瓶牛乳を届ける宅配が減少し、スーパーは取り扱いやすい紙パックを好むためだ。一方で「風呂上がりには瓶牛乳を飲みたいという需要は根強い」(吉田さん)と、昔ながらの瓶牛乳は温泉や銭湯からは人気。道の駅や一部のスーパーにも並ぶ。

◆紙栓やフードを外す気持ち良さ

 針型の栓抜きを使って紙栓を開けることもあるが、製造開始からしばらくして、指で外しやすいようにつまみを取り付けたのが吉田さんの父で会長の邦彦さん(84)。顧客の要望を聞き、アイスクリームのつまみの付いたふたから着想を得て開発した。その後、全国のメーカーに広がったという。

 瓶牛乳を覆うポリエチレン製フードは「低温殺菌関牛乳」は青色、コーヒー乳飲料の「関珈琲(コーヒー)」は茶色、ピーチ味乳飲料の「関フルーツ」と、関市の"ソウルドリンク"として人気というヨーグルト風味清涼飲料水の「ビタヨーグル」は黄色と色を使い分けている。以前は銀色や赤色などもあったが、製造企業が生産規模を縮小し、3種類のみとなった。フードをかぶせてビニールひもを巻く機械はメーカーが廃業したため、自社でメンテナンスを行っている。

 「レトロ感と紙栓を外す楽しみを大事にし、これからも瓶牛乳を届けたい」と吉田さん。ちなみに「ゴクゴクと飲めるから」と、紙パックよりも瓶派だ。

カテゴリ: くらし・文化 動画 経済




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