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龍神に嫁ぐ悲話「夜叉ケ池伝説」ゆかりスポット 白布流れるような川、夜叉姫が与えた清水



  • 夜叉ケ池に最も近い人里にある夜叉龍神社=揖斐川町坂内川上 
  • 白い布を引いたように見える坂内川=揖斐郡揖斐川町坂内 
  • 揖斐川歴史民俗資料館に展示されている夜叉ケ池伝説のパネル=揖斐川町上南方 

 雨乞い伝説で知られる「夜叉ケ池」は、岐阜県揖斐郡揖斐川町と福井との県境、標高1100メートルに位置する。夜叉ケ池伝説は各地にいろいろ残るが、岐阜では日照りに苦しむ村人を救うため池の龍神に嫁ぐ夜叉姫の悲話が有名だ。岐阜側の登山道の入り口がある揖斐川町坂内は夜叉姫が龍神と共に池を目指す「池上がり」道中ゆかりとされるスポットが数多くある伝説の里。揖斐川町が昨年刊行した絵本「美濃の雨乞い伝説・夜叉ケ池」巻末の絵地図を参考に、伝説ゆかりのスポットを探してみた。

 絵地図によれば、国道303号と並行するように流れる揖斐川上流の坂内川沿いには、夜叉姫が池上がりの途中で織り上げた白布が流れるように見える「布引川」、龍神と共に宿泊した宿、二人を迎えるために魚たちが集まってきた「お迎え岩」、草履(ぞうり)をすげかえたとされる「小草履(ぞり)」「大草履」などが残る。案内板などはなく場所の特定が難しいが、渓流には白い布を引くように見える場所や、青い深淵に突き出した大岩などがあり、伝説の里らしい雰囲気を感じる。

 探しやすいのは、夜叉ケ池に最も近い人里である坂内川上の「夜叉龍神社」や同神社の別当寺「長昌(ちょうしょう)寺」。どちらも17世紀、初代大垣藩主の戸田氏鉄(うじかね)が雨乞い祈願のため建立したとされる。国道からすぐの林道入り口に立つ夜叉龍神社周辺には清水が湧き、高台の集落内に立つ長昌寺境内には夜叉姫が一夜のお礼に村人に涸(か)れない清水を与えたとされる「夜叉のみやげ水」がある。

 林道を入ると、渓谷沿いに夜叉ケ池登山道口まで約13キロ。急坂で細い山道が続く。「はたご岩」や「髪結い岩」などがあると聞いたが、位置がよく分からない。護岸工事などで景観がだいぶ変わっているようだ。

 揖斐川町上南方の揖斐川歴史民俗資料館では、伝説ゆかりのスポットを紹介するパネルを展示。場所、写真、解説があるので、全容がひと目で分かる。今回参考にした絵本も購入できる(1500円)。

 【案内】

 揖斐川歴史民俗資料館 住所=揖斐川町上南方901―5。交通=養老鉄道揖斐駅から車で約10分。入館料=一般110円、小中学生50円。月曜日休館。問い合わせ=電話0585(22)5373

カテゴリ: おでかけ くらし・文化