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肺がんのロボ支援手術、1人で執刀100例超す 岐阜大病院「ダヴィンチXi」効率化で患者負担減



手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を使った肺がん手術。岐阜大病院では、医師がほぼ1人で手術を行える術式で実績を上げている=岐阜市柳戸(同大提供)
手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を使った肺がん手術。岐阜大病院では、医師がほぼ1人で手術を行える術式で実績を上げている=岐阜市柳戸(同大提供)

 岐阜大病院(岐阜市柳戸)は、手術支援ロボット「ダヴィンチXi」を使った肺がんの内視鏡手術で、ロボットの操作時に助手のサポートをほとんど必要としない「ソロサージェリー」という米国方式の術式を2018年10月から導入し、この夏で術数は100例を超えた。県内では、肺がんのロボット支援下手術は同病院のみが行い、ダヴィンチXiの性能を最大限に活用した同方式の術式を導入するのは国内でもまだ限られた施設にとどまる。主に執刀してきた、呼吸器外科医の岩田尚教授(56)は「術者の医師がほぼ1人で手術をこなせるので効率化が図られ、患者の体の負担減にもつながっている」と利点を挙げる。

 呼吸器外科分野では、支援ロボットを用いた肺がん、縦隔腫瘍の胸腔鏡手術が18年4月から保険適用となり、同病院でも手術を始めた。一般的なロボット支援による肺切除手術では、医師がロボットアームを操作する際、アームの先端部分を動かしやすくするために、補助器具による助手の介入が欠かせないのだが、術者と助手がいかにスムーズに意思疎通できるかが重要な部分でもあった。

 同病院でも当初は一般的な術式を導入していたが、助手がサポートしにくいなど術中に時間を要する場面もあり、岩田教授は改善方法を模索。以前から親交のあった米国の南マイアミ病院のマーク・ディレフスキー医師から、ロボットの操作時に助手のサポートをほとんど必要としないソロサージェリーの術式を学び、同年10月からの手術で導入した。「簡単に言うとアームを挿入する角度を従来より高くする術式だが、角度が変わることでアームの先端が直接患部に届きやすくなり、助手のサポートなく術者の医師ほぼ1人で手術を済ませることができるようになった」と岩田医師。現在の一例当たりのロボットの平均稼働時間は2時間20分という。

 一方で、助手は手術のサポートに費やしていた業務を、正確かつ安全に手術が進められているかを確認することに割けるようになり、術者の医師だけでなく、患者の利点にもなった。「国内でこの術式を扱える医師はまだ限られるが、新たな標準治療を岐阜大病院から創生していきたい」と岩田医師は話す。

カテゴリ: 医療