千畝の精神、母校が発信 愛知の瑞陵高に施設整備へ − 岐阜新聞 Web
千畝の精神、母校が発信 愛知の瑞陵高に施設整備へ
2017年09月09日08:38
写真:千畝の精神、母校が発信 愛知の瑞陵高に施設整備へ
愛知県立瑞陵高校(当時の県立第五中学校)在学当時の杉原千畝氏(中段右から2人目)

 愛知県は、第2次世界大戦中に「命のビザ」でユダヤ難民ら約6千人を救った外交官杉原千畝(ちうね)氏(1900〜86年)の功績を伝える施設を、母校の愛知県立瑞陵高校(旧県立第五中、名古屋市瑞穂区)に整備する。執務姿のブロンズ像やビザ発給を受けたユダヤ人のリスト、在校時の写真などを展示する。

 愛知県は2017年度補正予算案に関連費用を計上。当初予算と合わせ、総整備費を1億円余りと見込む。来年10月の完成予定。

写真:千畝の精神、母校が発信 愛知の瑞陵高に施設整備へ
現在の瑞陵高校正門

 正門周辺に屋外型施設(475平方メートル)として整備、自由に見学できる。リトアニア・カウナスの日本領事館でビザを発給している様子を再現した等身大ブロンズ像、外務省が保管する2256人分のリスト計42枚を複製した金属板、当時の外務大臣に宛てた電報記録を展示する。

 16歳当時のクラス写真や作文に加え、得意だった英語を生かした職業を志望していたエピソードも紹介、杉原氏の生い立ちをたどることができる。同じ旧五中出身の小説家江戸川乱歩と一緒に写った同窓会写真など、貴重な資料も公開する。

 岐阜県加茂郡八百津町出身の杉原氏は、7歳からの約10年間を名古屋市で過ごした。大村秀章知事は記者会見で「杉原氏の人道的功績を若い世代をはじめ国内外の人々に伝え、平和への思いを深めることができる施設にしたい」と述べた。

 杉原氏の関連資料は今秋にも、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶(世界記憶遺産)」への登録の可否が審査される。愛知県は今後、杉原千畝記念館のある八百津町と観光面などで連携していきたいとしている。