海津市産柿を果実酢に 味わいフルーティー − 岐阜新聞 Web
海津市産柿を果実酢に 味わいフルーティー
2017年10月08日08:18
写真:海津市産柿を果実酢に 味わいフルーティー
工場内の醸造タンクの前で完成した果実酢「ハリヨの柿酢」を手にする伊藤由紀さん=海津市南濃町羽沢

 岐阜県海津市産の富有柿と陽豊柿を使用し、6次産業化に取り組む伊藤由紀さん(45)=同市南濃町津屋=が果実酢の商品化に成功した。地元に生息する希少魚にちなんで「ハリヨの柿酢」と名付け、インターネットなどで販売を開始した。

 同市出身の伊藤さんは名古屋大大学院で化学を専攻し修士課程を修了後は東京都内で就職し、起業。民間企業に事業計画などを提案するコンサルティング会社を経営する中、担い手不足で荒廃する地元の農地の現状を知った。昨年市内に移り住んで工場を構え、柿を使った果実酢の製造で新たな事業化に取り組んできた。

 果実酢に用いる柿は、熟度を増し廃棄処分予定だった規格外品を地元農家から仕入れ、昨年11月から仕込みの作業に入った。製造は柿独自の酵母を用い、1次発酵(アルコール発酵)と2次発酵(酢酸発酵)にそれぞれ4カ月ずつをかけ、完成にこぎ着けた。純然な柿の実だけを用いて造った酢は深いこくが特徴的で、フルーティーな味わい。成分分析ではアミノ酸の数値が純米酢の約5倍と高く、特に脂肪の吸収抑制作用のある「スレオニン」や肝機能の改善作用を持つ「アラニン」などが高値を示した。

 伊藤さんは「健康志向が高まる中、東京の市場を視野に女性を中心に売り出していきたい」と語り、プロモーション活動にも力を入れていく考え。地域の経済振興に対する思いはひときわ強く、「いずれは地元の皆さんと一緒に手掛けていけたら」と話す。

 本格的な販売を前に市役所でお披露目式があり、試飲した松永清彦市長は「爽やかな味わいでおいしい」と絶賛。JAにしみのの小林徹代表理事組合長は「青果として商品にならない柿を有効に活用してもらえる意義は地元農家にとって大きい。販路拡大でお手伝いしたい」と期待を膨らませた。

 現在は、熱処理を加えない「生絞り」タイプを販売中で、価格は税別で720ミリリットル入り3600円、100ミリリットル入り1350円。今後はバーボンだるなどで仕込み香り付けをした各種商品もラインアップしていく計画。公式ホームページ(http://kakivinegar−haliyo.com/)で商品を紹介しており、注文もできる。