「元号のまち」誇りを胸に 関市の平成地区 − 岐阜新聞 Web
「元号のまち」誇りを胸に 関市の平成地区
2017年12月02日09:19
写真:「元号のまち」誇りを胸に 関市の平成地区
平成地区の近くに整備された道の駅平成。飛騨方面へ向かうドライバーの休憩、観光拠点となっている。各所に「平成」の文字がある=11月29日、関市下之保

 政府は1日、天皇陛下の退位日決定の前提となる皇室会議を宮内庁で開き、陛下の退位日を2019年4月30日と決めた。

 平成の元号と同じ字であることから、岐阜県関市の平成(へなり)地区(旧武儀郡武儀町)は全国から脚光を浴びた。近くの「道の駅平成」は多くの観光客を集め、“平成フィーバー”はまちづくりに大きな影響を与えた。合併前の最後の武儀町長、福田尚雄さん(74)は「元号と同じ地名を持つ町として、その名に恥じないまちづくりをせねばという機運が高まった」と振り返る。

 昭和最後の日となった1989年1月7日、小渕恵三官房長官(当時)が新元号「平成」を発表した。テレビで見ていた武儀町の職員は驚きとともに大いに盛り上がり、間もなくメディアからの問い合わせが殺到した。

 全国から観光客が訪れ、名産のシイタケをはじめ、木に「平成」と彫ったキーホルダーまでよく売れた。「道の駅平成」は大にぎわいだった。

 武儀町は「地球で一番すてきな田舎まち」を目指して「日本平成村」を掲げ、町全域の下水道整備、福祉施設の整備などを進めた。福田さんは「元号と同じ地名であることを町民も意識していた。町の発展につながったと思う」と話す。

 武儀町は2005年、平成の大合併で関市に編入合併し町の歴史を終えたが、その1年後に設立されたNPO法人日本平成村は旧町の精神を引き継いでいる。その一例として、NPOが運行する「福祉輸送タクシー」は、病院や買い物に出掛ける高齢者らの重要な足となっている。

 「道の駅平成」は当時ほどではないが今も飛騨方面に向かう観光客らが多く立ち寄る。「元号のまち」の精神は新元号になっても生き続ける。