県と岐阜大、全農が飛騨牛繁殖研修センター整備 − 岐阜新聞 Web
県と岐阜大、全農が飛騨牛繁殖研修センター整備
2018年01月20日08:48

 岐阜県と岐阜大、全農岐阜は、飛騨牛の生産体制の強化や繁殖農家の育成に向け、美濃加茂市の同大美濃加茂農場で繁殖研修センターの整備に乗り出す。雌牛への種付けや分娩(ぶんべん)など高度の技術が必要な繁殖農家は後継者不足が深刻で、生産頭数の減少から子牛の価格は高騰している。センターでは就農希望者を募り、生産頭数の増加や技術向上を図る。

 県と同大が19日、県庁で開いた連携推進会議で合意した。同大によると、県や民間団体が連携して大学の農場で繁殖事業に取り組むのは全国でも初めての試み。今後は3者による推進協議会を立ち上げ、2020年度までの研修開始を目指す。

 美濃加茂市の農場は約10ヘクタール。研修用牛舎で68頭を飼育し、実践的な飼育技能や管理方法の研究を進めている。

 新たに、約100頭の繁殖用牛舎と約80頭の育成牛舎を整備。19年度までに繁殖用雌牛100頭を購入し、繁殖事業を進める。県は新年度の補正予算を活用して全農岐阜の整備費の一部を支援。大学は就農希望者への研修などを担当する。

 美濃加茂市のほか、飛騨市で新年度に繁殖研修センターを設置する計画が進んでおり、今夏ごろには整備が始まる予定。将来的には、センター2カ所で年間200頭の子牛の生産を目指す。

 県は、県内にトマトや柿などの就農研修拠点の整備を支援しており、畜産の研修施設は初めて。古田肇知事は「大学と一緒に研修施設を運営するのは新しい岐阜県方式になる。就農までつなげたい」と話した。

 飛騨牛は、繁殖農家の高齢化などで子牛の生産頭数が減少。飛騨牛認定数は07年度の1万1657頭をピークに減り、16年度は9950頭。飛騨牛の繁殖施設には多額の初期投資が必要なため、畜産関係者から研修施設の整備を求める声が上がっていた。

 会議では、航空宇宙産業界で生産技術を持つ人材が不足している現状を受け、航空宇宙に特化した人材育成拠点を岐阜大に設置することでも合意。県と同大、産業界でつくるコンソーシアムを立ち上げ、生産技術に関する研究開発を進める。