堀島、闘志加速 今夜モーグル決勝 − 岐阜新聞 Web
堀島、闘志加速 今夜モーグル決勝
2018年02月12日08:15
写真:堀島、闘志加速 今夜モーグル決勝
武智公洋さんが五輪用にチューンアップしたスキー板。堀島行真選手の技術が組み合わされることで、世界最高峰のターンが生まれる=9日、韓国・平昌

◆特製スキー板調整の武智さん 鋭いエッジ、速さ引き出す

 岐阜県が誇る日本男子モーグルのエース堀島行真(20)=中京大2年、岐阜第一高出=が金メダルに挑む平昌冬季五輪決勝はいよいよ12日夜行われる。堀島を世界トップレベルに押し上げた強さの秘けつこそ、モーグルの常識を変えたと言われるスキー板のエッジを立てて滑る「カービングターン」。絶対王者ミカエル・キングズベリー(カナダ)も驚愕(きょうがく)させた世界屈指のスピードを誇るターン技術を生み出す革命的武器で今、"真の世界王者"の座をつかみ取る。

 堀島が長年こだわり続けるカービングターンを足元から支えるのが、中学3年の頃からスキー板のチューンアップを手掛けるICDI(愛知県春日井市)代表の武智公洋さん(56)だ。カービングターンはスピードが出せる半面、コブのコースを滑るモーグルではバランスを保つのが難しい。過去にも世界的なモーグル選手の板を担当した経験を持つ武智さんだが、堀島と出会い「これまでのモーグルのイメージが一変した」と振り返る。

 王者キングズベリーのターンを「美しい」と表現するなら、堀島のターンは「豪快」。武智さんは、堀島の「見る人を感動させたい」という理想の滑りを実現する手助けをしようと、数多くの大会や練習に同行し、各地の雪質や雪温などに合った板を準備。攻撃的な滑りで昨年3月の世界選手権を制すると、キングズベリーら各国のライバルたちもスピードを意識する滑りへと変化していった。

 追従するライバルにも負けない武器に昇華させるべく、武智さんは今回の五輪に向けて1カ月前からスキー板を預かり、"平昌スペシャル仕様"に仕上げた。昨年、堀島が平昌を滑った際のデータなどを基に、板の滑走面に独自の「ストラクチャー」と呼ばれる溝を入れて水はけを良くしたり、エッジをこれまで以上に鋭く研いだりして滑走性能を最大限に高めた。だが「高速に走るこの板の性能を引き出せるのは、堀島選手の下半身の強さと柔軟性があってこそ」と力を込める。

 公式練習の後、堀島の「板がとてもよく走ります」との言葉に武智さんも一安心。「見る人を魅了する滑りこそ彼のモーグル。そこにメダルが加われば最高ですね」と陰の立役者も大爆発を期待する。