オグリの里
笠松グランプリ、ラブバレット3連覇

2017年11月24日 12:54

  • 1着でゴールし、笠松グランプリ3連覇を達成したラブバレット
  • 笠松グランプリのスタート前に整列する騎手たち。リーディング経験者も数多く、豪華メンバーが腕を競った
  • 優勝したラブバレットに乗ってガッツポーズを見せる山本聡哉騎手と関係者
  • ラブバレット「V3」のサイン入りゼッケンを手にする山本騎手
  • 喜びの菅原勲調教師(右)と山本騎手
  • 2008年、菅原勲騎手が笠松でのスーパージョッキーズトライアルに参戦。芦毛馬ホウヨウターニングに騎乗し、見事1着でゴールした

 東北のスターホースは、やはり強かった。第13回笠松グランプリ(1400メートル、SPⅠ)が22日、笠松競馬場で行われ、山本聡哉騎手が騎乗した岩手のラブバレット(牡6歳、菅原勲厩舎)が1番人気に応えて、3連覇を飾った。笠松グランプリの3連覇は、前身の全日本サラブレッドカップ時代を含めて初めての快挙。

山本騎手も「笠松が好きです」と、競馬場のキャッチフレーズのようなコメントを残してくれた。

 笠松競馬のビッグレースで、1着賞金は1000万円。全国から地方馬の強豪が参戦し、ジョッキー陣も豪華メンバーで、川原正一(園田)、吉原寛人(金沢)らリーディング経験者が勢ぞろい。下原理(園田)、永森大智(高知)、山本聡哉(岩手)、佐藤友則(笠松)の4人は今年もトップを快走中だ。愛知からは宮下瞳、木之前葵の女性騎手参戦もあり、スタンド前のコース沿いには、カメラを構えたファンがいっぱい。遠くは北海道などからも駆け付け、例年以上の冷え込みを吹き飛ばす熱戦を見守った。

 レースは、笠松出身・川原騎手騎乗のトウケイタイガー(園田)が先行。2番手ラブバレットは、3コーナーでトウケイタイガーをかわすと、直線では突き抜けて、2着エイシンヴァラー(園田、下原騎手)に3馬身差の完勝劇。ハナ差の3着にはプリンセスバリュー(大井、吉原騎手)が食い込んだ。トウケイタイガーはゴール前で失速し4着。笠松勢はダイヤモンドダンス(筒井勇介騎手)の5着が最高だった。

 馬券的には「ラブバレットとトウケイタイガーの2強マッチレースか」と、馬連140円とファンの人気を集めたが、その一角が崩れ、3連単は万馬券になった。

 ラブバレットを優勝に導いた山本騎手は29歳。2010年には約2カ月間、笠松で期間限定騎乗して8勝を挙げた。昨年に続いて今年も岩手の騎手リーディングを独走中だ。勝利インタビューでは「強かったです。3連覇を達成でき、とてもうれしい。名古屋・かきつばた記念ではトウケイタイガーに負けたが、コース適性から勝てると。ラブバレットの反応が良過ぎて、早めに先頭に立ってしまい、ちょっと格好悪いなあとも。直線半ばでは気を抜かずに追った」と余裕の表情。

 「馬自身がレースに気持ちを合わせてくれ、きょうは楽でした。ほぼベスト体重で『よしっ』と思ったし、厩務員さん(女性)がよく仕上げてくれた。笠松や岩手のファンにも強い姿を見せることができて良かった」。8月の交流重賞・クラスターカップ(盛岡)では悔しい2着だったが、「この馬でダートグレード競走を取りたい」と悲願達成に燃える。

 菅原調教師も「3連覇が懸かった目標のレースで、勝ててうれしい。盛岡・絆カップ(2着)を使った後も馬の状態に自信があった。思った以上に強い競馬で、いつもよりも安心して見ていられた」と満足そう。「スピードが要求される笠松の馬場が合っていて、ここに来るといつも以上の競馬ができる。JRAの馬相手でも、毎回見せ場をつくっており、そこそこの競馬ができる」と、次走は年末の園田ゴールドトロフィー(JpnⅢ)を予定している。

 菅原調教師といえば、騎手時代の1999年に岩手のメイセイオペラでJRAのGⅠ・フェブラリーSを制覇しており、地方騎手、地方所属馬としては唯一の勲章。2008年に笠松で行われたスーパージョッキーズトライアルでは2レースを連勝し、大井での2戦を含めて総合優勝を飾った。本戦となったワールドスーパージョッキーズでも勝利を挙げた(総合8位)。

 騎手、調教師として参戦した笠松のレースでは、負け知らずの全勝という菅原調教師。笠松コースとの相性の良さが際立っており、今年の笠松グランプリも余裕の勝利で、不敗神話は生きていた。中央への挑戦を続ける笠松競馬関係者にとっては、「地方競馬のレジェンド」でもある菅原調教師は憧れの存在といえる。

 競走馬では、岩手・盛岡でデビューしたトウホクビジンというタフな牝馬がいた。笠松に移籍し、酷使に耐えながらも重賞出走回数130回という日本記録をマークし、「鉄の女」とも呼ばれた。11年に東日本大震災復興祈念の絆カップが盛岡競馬場で創設され、12年には、佐藤友則騎手が騎乗したトウホクビジンが、豪脚を発揮して優勝を飾った。毎年のように岩手に遠征し、東北にもファンが多い名牝だった。

 13年にはラブミーチャンも盛岡に遠征し、クラスターカップで優勝し、このレースがラストランとなった。震災復興や競馬場の存続問題では、寄せ書きなどでもお互い励まし合い、支援を続けてきた笠松競馬と岩手競馬。ラブバレットは、来年の笠松グランプリにも4連覇を目指して来てくれそうだ。これからも人馬の交流などで、笠松・岩手の絆をさらに深めて、地方競馬を盛り上げていけるといい。