オグリの里
ゴールドドリームが飛んできた

2017年12月09日 12:59

  • チャンピオンズCのゴール前、豪快に差し切ったゴールドドリーム。2着テイエムジンソク、3着コパノリッキーと続いた
  • ゴールドドリームでチャンピオンズCを制覇したライアン・ムーア騎手。ウイニングランでファンの声援に応えた
  • 馬体ピカピカ。チャンピオンズCのパドックでは、最も美しく手入れされた馬を担当する厩務員を表彰する「ベストターンドアウト賞」の審査も行われ、グレンツェント(馬名=輝かしい)の田辺邦彦厩務員が受賞した
  • コパノリッキーには田辺裕信騎手が騎乗。華麗なる逃げを見せた
  • 寺島良厩舎のキングズガードに騎乗した藤岡康太騎手と厩舎スタッフ
  • 7Rでは3連単2000万円超の高額払戻金が出た中京競馬場。GⅠファンファーレとともに声援を送る大勢のファン

 3連単が的中したかと思ったら、大外から1頭が飛んできた。中京競馬場で行われたGⅠ・チャンピオンズカップは、ライアン・ムーア騎手(英国)が騎乗した8番人気ゴールドドリーム(牡4歳)が、豪快な差し切りVを決めた。

 ダートGⅠ単独トップの11勝目を狙うコパノリッキーが逃げて、テイエムジンソクが追う展開。後方4、5番手からレースを進めたゴールドドリーム。ムーア騎手が仕掛けると豪脚がさく裂。ゴール前で2頭を一気に抜き去った。晴天に恵まれた競馬場に「黄金の脚」が輝き、フェブラリーSとのJRAダート2冠の夢をかなえた。

 異次元の走りを引き出した世界トップジョッキーの手腕に脱帽である。ウイニングランでは軽いガッツポーズで、ファンの声援に応えたムーア騎手。気性が激しく、闘志をむき出しにする暴れ馬タイプを、気持ち良く走らせた。「追い出せば、直線伸びると分かっていたし、反応がすごく良かった。ダートでは、ゆっくりギアを上げる馬が多いが、ゴールドドリームは切れる馬で、最高の出来だった」と、勝利の余韻に浸った。

 平田修調教師は「GⅠ馬にはどうかと思ったが、ゲートに縛りつけて、出遅れ癖の解消に努めた」とハードな調教過程を明かした。この馬としてはスタートが良く、「ムーア騎手が慌てずにじっくり乗り、4コーナーで外へ持ち出し、これなら来るなと感じた」と世界の名手の手綱さばきを絶賛。「これでダート王ですね」という声には「地方の競馬場ではちょっと足りないのが課題」と、さらなる成長を期待。次走のフェブラリーSでは連覇を目指す。

 GⅠのパドックは華やかで独特の雰囲気があり、出走馬のピカピカした美しい馬体の審査もあった。この日、競馬場に着いてまず購入したのが、岐阜にも縁があるコパノリッキーとキングズガードの単複「がんばれ馬券」。これまでも当たり馬券でお世話になったことがあり、勝負馬券は手広く買った。

 コパノリッキーのGⅠ初制覇は、大波乱となった3年前のフェブラリーS。最低16番人気だったが、田辺裕信騎手の好騎乗で栄冠をさらった。ペルシャザールとホッコータルマエの1、2番人気から2頭軸で総流しした3連単が的中、まさかの94万円馬券となった。こんなことが何年かに1度あるから競馬は面白い。

 コパノリッキーの馬主は小林祥晃さんで、笠松の名馬ラブミーチャンの馬主でもあった。ラブミーチャンには、コパノリッキーの父ゴールドアリュールが種付けされ、長男と次男が誕生した。キングズガードは、岐阜県出身の寺島良調教師が管理し、中京・プロキオンSで重賞初制覇。盛岡・南部杯ではコパノリッキーが勝ち、キングズガードも3着に食い込んで、3連単12万馬券をがっつりと頂くことができた。

 そんなことで、チャンピオンズCでは「コパノリッキーの大逃げ、キングズガードの大まくり」を期待。馬連でも2万馬券だったが、結果はコパノリッキーが長い直線で逃げ切れずに3着、キングズガードは最後方から差し届かずに8着に終わった。

 それでも見せ場たっぷり。キングズガードのラスト600は、中京ダート1800の最速タイムとなる35.1秒。前残りの展開に泣いたが、優勝馬とは0.5秒差と健闘。馬券は3連複、ワイドが少々当たったが(がんばれ馬券の複勝も)、結果は「取っても損」だった。ゴールドドリームが来なかったら、3連単や馬連も当たっていたのだが...。  

 キングズガードの藤岡康太騎手は「思った以上に前に行きたがり、前半で力んでしまった」と。コパノリッキーの田辺騎手は「リズム良く走れたし、最後までよく踏ん張ってくれた」とねぎらい、12月29日の東京大賞典(大井)がラストランとなる。

 この日の中京ではGⅠレース以上に場内がどよめいた瞬間があった。 

 「出たー!、2000万円」。7Rで木幡初也騎手が特大ホームランをかっ飛ばしたのだ。15番人気ディスカバーが勝ち、2着に6番人気、3着に14番人気の馬が入る大波乱。3連単「2294万6150円」はJRA歴代3位で、中京の新記録。3連複でも「550万8830円」とJRA2位、ワイド「12万9000円」はJRA1位だった。

 超高額の払戻金が発表されると、場内から「うわー」とか「すごーい」といった驚きの声が上がったようで、一時騒然となった。記念に払戻金の画面を撮影しているファンもおり、「自分でもびっくり。(馬券を当てた人に)貢献できたのなら良かったです」と1着の木幡初也騎手。3連単の的中票数はわずか3票だった。

 そうかと思えば、中山8Rのレース中継では隣にいたおじさんが1番人気の「15番」を大声で連呼。複勝20万円の大口勝負は、大接戦の末、何とか2着を確保。こちらは130円と低配当だったが、「単勝にしなくて良かった」とホッと一息。

 寒風が吹き抜ける師走の競馬場。どこか殺伐とした空気が漂うが、さまざまな競馬ファンの思いが渦巻き、インターネット投票では味わえないライブの熱気もムンムン。帰り道、「2000万円取った人がいたんだねえ」という、女性ファンのうらやましそうな声も聞こえてきた。