オグリの里
サムライドライブぶっちぎり、重賞V4

2018年02月03日 13:28

  • 名古屋・梅桜賞で重賞V4を飾ったサムライドライブと丸野勝虎騎手(名古屋競馬提供)
  • 笠松、名古屋で10連勝し、桜花賞やオークスに挑戦したライデンリーダー
  • 大勢のファンを前に「これからも熱いレースで笠松競馬を盛り上げていきます」とあいさつする騎手たち
  • 1月13勝と好スタートを切った筒井勇介騎手
  • チェリーシャクナゲでめいほう杯を勝った渡辺竜也騎手。左は8番人気馬で3着に入った木之前葵騎手

 ニューヒロイン、9馬身差ぶっちぎり。名古屋競馬場で行われた3歳牝馬重賞の梅桜賞(1800メートル、北陸・東海・近畿地区交流)で、地元のサムライドライブ(角田輝也厩舎)が圧勝。丸野勝虎騎手の騎乗で、デビュー以来破竹の7連勝を飾った。

 1月だけで湾岸ニュースターカップ、新春ペガサスカップに続いて3歳重賞V3の快挙となった。昨秋の2歳・ゴールドウィング賞を含めれば重賞V4と、勢いは止まりそうもない。地元ファンの注目度は高く、笠松の名牝ライデンリーダーやラブミーチャン級に育つのか。将来性豊かで、非常に楽しみな一頭である。

 梅桜賞には笠松のチェゴ(藤原幹生騎手)も参戦。重賞2勝(ラブミーチャン記念、ライデンリーダー記念)の実力馬で、スタートダッシュを決めたサムライドライブを追撃。3コーナー手前で並びかけたが、直線で突き放されて4着どまり。笠松のスリルトサスペンス(筒井勇介騎手)が3着に食い込んだ。

 サムライドライブは、誕生日がオグリキャップと同じ3月27日で、スター性も十分。父はシニスターミニスターでダート血統だが、先行力とともに力強い末脚も魅力。まだ名古屋限定の強さだが、どこまで連勝を伸ばすのか。騎乗した丸野騎手は「外に来られても、自分でスーッと反応してくれた。最後まで脚色も衰えず、とても乗りやすく、競馬がしやすい馬」。角田調教師も「初対戦になる他場の馬もいたが、問題なくクリアしてくれた」と手応え十分。

 その圧勝ぶりを、笠松、名古屋で10連勝したライデンリーダーと比較してみた。サムライドライブは重賞4連勝中に2着馬につけた着差は4、6、5、9馬身。デビュー7戦では「計35馬身半」と圧巻の走り。ライデンリーダーは、名古屋で8馬身差の楽勝もあったが、7連勝の時点では「計26馬身半」だった。スピードの絶対値の高さで勝っているサムライドライブだが、今後は対戦相手も強くなるだろうから、接戦で競り勝つ競馬も求められる。

 サムライドライブは、笠松のカサマツブライトとともに「オッズパーク地方競馬応援プロジェクト」の期待馬でもある。東海公営のスターホースとして、カツゲキキトキトを上回る素質は十分。当分はJRA入りや南関東に移籍したりせず、名古屋を主戦場に飛躍を目指したい。順調なら次走は名古屋・スプリングC(2月27日)か。昨年はドリームズラインが東海3冠を達成したが、サムライドライブも駿蹄賞、東海ダービーから岐阜金賞を目指すことになれば、笠松のファンの前でも走ることになる。

 地方所属馬の中央挑戦は、ファンの心をとりこにする。東京競馬場でのセントポーリア賞(500万特別)では、北海道競馬所属の3歳牡馬ハッピーグリン(田中淳司厩舎)が後方一気の差し脚で中央勢をねじ伏せた。ローエングリン産駒で芝向きのコース適性(1勝、3着2回)も示した。1歳上の姉はミスミーチャンで、中央未勝利のまま、昨年の笠松・クイーンカップ(4着)を走り、現在は兵庫所属。オーナーはラブミーチャンと同じ小林祥晃さんだ。

 ハッピーグリンは今後、スプリングSなどで3着までに入り、皐月賞出走を目指す。地方所属馬の中央クラシック挑戦が実現すれば、牡馬ではコスモバルク(皐月賞2着)以来14年ぶりとなる。8年前、ラブミーチャンの桜花賞挑戦は夢に終わったが、笠松や名古屋から中央クラシックに挑む馬が、そろそろまた出てきてもいいのでは。

 笠松の新春シリーズでは、筒井勇介騎手が11勝の固め勝ちでロケットスタートを決めた。「うまくいきすぎて怖いぐらいですが、今年はリーディングを狙いたい」と意欲満々。2年連続リーディングの佐藤友則騎手、同2位の向山牧騎手もすかさず追撃。1月開催を終えて、筒井騎手と佐藤騎手がともに13勝、向山騎手が12勝と好調だ。立春を過ぎても寒さは緩みそうにもないが、ジョッキー同士の駆け引きはヒートアップし、2月開催も熱戦が期待できる。

 昨春デビューの渡辺竜也騎手は、めいほう杯の1勝のみ。前開催は「体調不良」ということで、初日から全休となった。突然の騎乗変更で心配したが、やはりインフルエンザだった。年末からのヤングジョッキーズシリーズ参戦や、笠松、名古屋での騎乗が続いて一休みとなったが、2月開催ではまた元気な姿を見せてくれそうだ。新春シリーズでは、山下雅之騎手が同じくインフルエンザで騎乗できなかったそうだが、他のジョッキーも感染には十分に注意してほしい。

 笠松では、名古屋の騎手たちの活躍も目覚ましい。今年、全国リーディングのトップを快走中の岡部誠騎手は、重賞・白銀争覇をインディウム(兵庫)で制覇するなど1月に10勝も挙げた。まさか、名古屋の騎手に笠松リーディングを取られはしないだろうが、地元騎手を脅かす存在だ。木之前葵騎手も笠松に積極参戦しており、今年は2勝、3着4回とまずまず。人気薄の馬で上位をにぎわせ、場内では「葵ちゃんを見たい」というファンも多い。岩手競馬の女性ジョッキーでは、22歳の鈴木麻優騎手の引退が決まった。昨年9月の落馬負傷(背骨3本骨折)で「プロ騎手として、気持ちを立て直すことができなかった」ということだが、4年間で67勝を挙げる活躍を見せてくれた。

 今年の地方競馬。名古屋のサムライドライブの出現は、笠松の厩舎スタッフにも大きな刺激を与えたはず。同じシニスターミニスター産駒で昨年の「でら馬スプリント」覇者ハイジャの復帰も待ち遠しい。1月の園田クイーンセレクションには、笠松から4頭が参戦し、スリルトサスペンスが3着。桜花賞トライアルへのブロック選定競走でもあり、笠松の厩舎のチャレンジ精神が感じられた。

 梅桜賞を勝ったサムライドライブは、オークストライアルへの挑戦権も獲得。ライデンリーダーのように、ダートからいきなり芝コースで勝利し、桜花賞に出走したケースもあり、サムライドライブにも中央に挑戦する可能性もある。「大きな舞台で走らせたい馬」という陣営。いろいろな選択肢はあるが、カツゲキキトキトとともに、新たな夢へ向かって挑戦は続く。