オグリの里
オグリキャップ記念、エンパイアペガサス独走V

2018年04月27日 15:15

浦和から挑んだエンパイアペガサス(岡部誠騎手)が大差でオグリキャップ記念を制覇

 オグリキャップゆかりの牧場育ちの5歳馬が、驚異の大差勝ち。26日、笠松競馬場で行われた「第27回オグリキャップ記念(SPⅠ、地方全国交流)は、岡部誠騎手(名古屋)が騎乗した1番人気の浦和・エンパイアペガサス(牡5歳、平山真希厩舎)が、2着馬に2秒8差をつける桁違いの強さで優勝を飾った。

ゴール前100メートル、後続を大きく引き離して独走するエンパイアペガサス

 コースを2周する2500メートルの長距離戦に全国から10頭が参戦。東川公則騎手が騎乗した浦和・ベルゼブブ(牡5歳)が先行。2周目の3コーナー、エンパイアペガサスは楽な手応えで先頭を奪うと、最後の直線では一気に差を広げて独走。岡部騎手は手綱を持ったままでゴールした。2着に9番人気の名古屋・アンカーマン(セン馬5歳、今津勝之厩舎)、3着に7番人気の笠松・ヤマニンデリシュー(牡8歳、森山英雄厩舎)が入り、3連単は35万3190円の高配当で波乱となった。

 エンパイアペガサスは、北海道新冠町の佐藤牧場(佐藤信広代表)の生産馬。父エンパイアメーカーで、母はステージトリック。2、3歳時に8連勝を飾った岩手ダービー馬で、重賞は10勝目。佐藤牧場では、オグリキャップ最後の産駒であるミンナノアイドルを繁殖牝馬として管理しており、長男は今春引退したストリートキャップ。昨年、5年ぶりに次男が誕生しており、第3子(モーリス産駒)も誕生間近という。

表彰式でプレゼンターを務めた安藤勝己さんから花束を贈られる岡部誠騎手

 優勝インタビューで岡部騎手は「驚きましたね。3コーナーで動いてくれた。折り合いがついて、道中はリラックスして走ってくれた。素質馬に乗せてもらえたし、後続との差が開いて余裕でした。また大きなレースが狙える馬ですね」と笑顔を見せた。トークショーや予想会で笠松に里帰りしたアンカツさん(安藤勝己元騎手)が表彰式でプレゼンターを務め、岡部騎手に花束を贈った。昨年241勝を挙げ、全国リーディング2位だった岡部騎手も、憧れの存在であるアンカツさんからの祝福にうれしそうだった。

 エンパイアペガサスは岩手所属馬だが、ここ2年は冬場を中心に浦和へ移籍。管理する平山調教師は、地方競馬で4人しかいない女性調教師の1人で、ジョッキー出身でもある。昨年の報知グランプリカップをエンパイアペガサスで、調教師として重賞初制覇。浦和の調教師リーディングでも4位と手腕を発揮した。

オグリキャップ記念優勝馬を囲んで、生産者の佐藤信広さん(左から2人目)ら関係者が喜びに浸った

 平山調教師は「(エンパイアペガサスには)自分も調教で乗っており、いい結果が出てホッとしています。笠松のコースを熟知している岡部騎手にお任せした。乗り難しい面もあって、前走は引っ掛かるところがあったが、5歳で充実してきた」と満足そう。

 エンパイアペガサスを育てて、馬主でもある佐藤さん。佐藤牧場とオグリキャップのルーツ・笠松のつながりから、岩手在籍時の佐藤祐司調教師のアドバイスもあって、この長距離戦に挑んだという。「オグリとの縁があって、笠松はどうしても見たかった競馬場。岡部騎手が手の内に入れて、うまく折り合いをつけた。こんなに圧勝してくれるとは」とジョッキーの技量をたたえた。

 鳥肌が立つような大差勝ちに「終わってみたら強かったが、オグリキャップが勝たせてくれたようなもの」とも語った。「牧場でオグリの血統を受け継ぐ努力をしてきただけに、このレースに特別な思いがあった。オグリがデビューした地で、一番のパフォーマンスを見せてくれ、勝てて最高の思い。夢みたいです」と、夫人と共に歓喜に浸った。キャップの馬主だった小栗孝一さんの家族らとも再会でき、喜びを分かち合った。エンパイアペガサスの次走は決まっていないが、また岩手の厩舎に戻ることになるという。

 笠松勢では低人気ながら馬券圏内(3着)に突っ込んだヤマニンデリシュー。この馬で18回も勝っている吉井友彦騎手は「距離には自信があったんで、力を出してくれればと思っていたが、ちょっと悔しいです。3コーナーで進路が狭くならなかったら、2着はあったかなあ」と振り返った。

 笠松で重賞連勝中だったハタノリヴィール(牡5歳、井上孝彦厩舎)は3番人気だったが、7着に終わった。道中は3番手でレースを進めたが、3コーナーで失速。佐藤友則騎手は「いつもとペースが違ったし、あんなもんでしょう。自分のペースで行けないと追って甘い馬。能力はあり、まだ5歳なんで、(強豪に)もまれて上がっていけるといいが」とサバサバとした表情だった。

オグリキャップ魂を受け継いだ記念レース。関係者の努力もあって、笠松競馬の復興を印象づけた表彰式

 春本番で好天にも恵まれ、約1250人が入場。看板レースのオグリキャップ記念への注目度は高く、1日の馬券販売は3億5855万円と伸び、昨年を7400万円も上回った。この日の同じ時間帯に開催されていた園田競馬とほぼ同額で、「やればできる」という感じがした。ゴールデンウイークの笠松開催がないのは残念だが、5月10日には3歳の新設重賞「ぎふ清流カップ」(SPⅠ、北陸・東海・近畿交流)が開かれるので楽しみにしたい。