オグリの里
外国人ジョッキー、笠松でも活躍

2018年05月25日 16:35

笠松で初勝利を飾ったブラジル出身のレオナルド・サレス騎手

 新設された3歳重賞「ぎふ清流カップ」に、1人の外国人ジョッキーの姿があった。笠松のライトスラッガー(井上孝彦厩舎)に騎乗したレオナルド・サレス騎手だ。

 ブラジル出身の24歳で、3カ月間(7月19日まで)の短期騎手免許で愛知・角田輝也厩舎に所属。これまで世界各国を転戦。2013年にサウジアラビアでリーディング1位、15年にマカオでリーディング2位を獲得。昨年はアメリカ、今年はUAEを主戦場として活躍。笠松デビュー戦は4着に敗れたが、2戦目の根尾川賞ではエアシャマール(井上厩舎)に騎乗し、2番手から抜け出して笠松初勝利を飾った。

 レースを終えたサレス騎手に笠松の印象を聞いた。「とても良い競馬場。軽い砂で気に入った。いいジョッキーたちと小回りのコースでスピードレースができる。笠松に来ることができて、うれしいです」。世界的にも珍しい「内馬場パドック」については「すごくいいと思います。名古屋のほか、笠松の厩舎からも依頼があれば、これからもどんどん乗りに来たいです」と笑顔だった。

パドック前で深々と頭を下げて一礼するサレス騎手(右から2人目)

 レース前、マイクロバスに乗ってパドックに来た騎手たちは、整列してスタンドのファンに向かって一礼する。ぎふ清流カップでは、サレス騎手が上体を折り曲げて、深々と頭を下げる姿が印象的で、礼儀正しさが伝わった。返し馬でも地元騎手らとスタンド前を疾走し、好感が持てた。

 ぎふ清流カップは7着に終わったサレス騎手だが、これまでに63戦して9勝(名古屋で8勝、笠松で1勝)2着14回、3着8回(5月25日現在)。連対率は3割5分を超え、馬券対象になる活躍を見せており、「かなり乗れるジョッキー」のようだ。28日からの笠松開催でもメインレースなどで騎乗予定だ。騎手不足でもあり、期間中の騎乗機会が増えるかも。そして、チャンスがあれば、笠松でも短期騎手免許を取得して騎乗できるといい。

安藤勝己騎手(右)とも腕を競ったクロード・ピッチョーニ騎手(中央)=1996年1月

 笠松にもかつて、外国人ジョッキーが在籍したことがあった。イタリア出身のクロード・ピッチョーニ騎手で、1996年1月から1カ月半余り、短期免許で後藤保厩舎に所属。安藤勝己騎手が前年、マカオで騎乗した時に知り合った縁もあって来日。笠松デビュー戦では一緒に騎乗して2着と好走したが、独特のコース形態に苦労したのか、3勝どまりに終わったようだ。全国の地方競馬でも2人目の外国人ジョッキーで、「走るドラマの国際化」などと脚光を浴びた。

 当時は30人ほどのジョッキーが笠松に所属。現在(15人)の2倍で、中島広美騎手、岡河まき子騎手も活躍していた。ライデンリーダーら名馬が在籍し、華やかで最も輝いていた良い時代だった。女性ジョッキーとして通算120勝を飾った中島騎手は、92年に17歳で笠松デビュー。93年には笠松、大井、金沢を転戦する国際競走「クイーンジョッキーシリーズ」(日、米、英など7カ国参加)にも出走し、健闘した。

昨年4月、笠松で騎乗したミルコ・デムーロ騎手

 大型で鮮明な「清流ビジョン」が笠松に導入された昨年4月には、ミルコ・デムーロ騎手がJRA交流レースに参戦。阪神競馬場での桜花賞騎乗(アドマイヤミヤビ)を4日後に控えた平日の昼下がり。のどかな笠松が異様な熱気に包まれ、スタンド前のコース沿いでは、大勢のファンが身を乗り出して声援を送った。笠松でJRA交流レースが行われるのは水曜日が多く、5月30日にも中央馬5頭が参戦予定。ミルコ・デムーロ騎手は2001年に笠松で初勝利を飾ったほか、ダリオ・バルジュー騎手も3着になったことがある。昨年のダービージョッキーのクリストフ・ルメール騎手にも、いつか笠松へ来てもらえれば、場内は大いに盛り上がるだろう。

 8月25、26日に札幌で開催されるのはJRA「ワールドオールスタージョッキーズ」で、地方競馬代表騎手(1人)の座を懸けた熱戦も始まった。今年から「地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ」に一新され、地方騎手日本一の名誉を目指す。所属競馬場での勝利数1位(昨年4月~今年3月)の12人と、ワイルドカードを勝ち抜いた2人を加えた14人が本戦に出場する。

笠松代表として「地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ」に挑む佐藤友則騎手

 笠松からはリーディングの佐藤友則騎手が、昨年(本戦7位)に続いて挑戦。第1ステージ(6月3日・盛岡)、第2ステージ(7月18日・浦和)の難関を突破し、ワールドオールスタージョッキーズ出場を目指す。愛知から岡部誠騎手が参戦する。佐賀(2戦)で行われたワイルドカードでは、笠松の筒井勇介騎手が挑戦。初戦は5番人気の騎乗馬で2着と健闘。2戦目は9着に終わったが、初挑戦のステージで堂々の総合4位。大きな経験となった。愛知の丸野勝虎騎手は総合8位(10着、4着)で、総合Vの村上忍騎手(岩手)と2位の吉原寛人騎手(金沢)が本戦出場権を獲得した。

 今年の日本ダービー(27日・東京)は大混戦。国枝栄厩舎のアーモンドアイは、桜花賞に続いてオークス制覇で2冠を達成。ダービーに出走していても、いい勝負になっただろう。国枝厩舎からはオウケンムーン(北村宏司騎手)とコズミックフォース(石橋脩騎手)の2頭が挑戦。夢のダービー調教師の座を狙う。 

 注目されるのは皐月賞不出馬組。4連勝中のダノンプレミアム(川田将雅騎手)と3連勝中のブラストワンピース(池添謙一騎手)が無敗のまま挑戦。過去10年で4勝の1枠1番に入ったダノンプレミアムが、強運の馬番で朝日杯FS優勝の強さを発揮するか。毎日杯Vのブラストワンピースにも、ディープスカイやキズナのようにダービー制覇の可能性は十分にある。今年もGⅠを勝ちまくる外国人騎手。クリストフ・ルメール騎手がステルヴィオで、ミルコ・デムーロ騎手がキタノコマンドールで、皐月賞4、5着から巻き返すか。

 インターネット投票でなく、実際に馬券を購入して日本ダービーを楽しみたいというファンは、清流ビジョンがある笠松競馬場や恵那シアターの「J―PLACE」へどうぞ。28日からは、大井競馬所属で23歳の高橋昭平騎手が再び笠松で騎乗する。伊藤強一厩舎に所属し、8月17日までの期間限定騎乗。「笠松は先輩騎手たちがフレンドリーで温かいです。成長した姿を見てもらいたい」と意欲。前回(昨年3月まで半年間)は11勝を挙げており、得意の先行策を笠松の馬場で生かしたい。