オグリの里
オグリキャップ写真展(ぶらり競馬場)

2018年07月20日 14:45

 ぶらりと訪れた各地の競馬場。レース以外にも楽しめたり、心に残ったスポットなどを拾ってみた。

笠松競馬場の休憩所では、ファン有志による常設のオグリキャップ写真展が開かれている

 ■オグリキャップ写真展(笠松)
 
 伝説のオグリコールから28年。笠松競馬場育ちで、日本の競馬史上「最も有名な競走馬」として、ファンに愛され続けているオグリキャップ。笠松では1991年1月15日に引退式が行われ、西スタンド2階の休憩所には、ファン有志によるオグリキャップ写真展が常設されている。笠松デビューから有馬記念やジャパンカップなど現役時代の激闘の数々、北海道の牧場でのんびりと暮らす引退後の表情などを活写。戦前からの笠松競馬場の写真なども展示されている。

 2004年、競馬場の存廃問題が浮上した頃には、笠松に競走馬を供給している馬産地の各牧場から「頑張れ、笠松競馬」と存続を願う励ましの色紙なども数多く寄せられ、展示された。最近では、今春新設された笠松けいばファンクラブの会員らを対象にした「宝塚記念を騎手と一緒に楽しむ会」も開催。大塚研司騎手会長をはじめ若手騎手ら5人が参加して、ファンとの交流を深めた。正門脇にはオグリキャップ記念像とオグリのたてがみ、実物大のパネル写真も展示されており、ファンが記念撮影を楽しんでいる。

かつて繁盛していた中央スタンド2階の「競馬場喫茶部」。懐かしい店内の様子

 ■懐かしい「競馬場喫茶部」(笠松)

 荒波を乗り越えて生き残った笠松競馬場だが、場内の飲食店は半減し、一部はシャッター街のようだ。中央スタンド2階では、昭和レトロ感を漂わせながら「競馬場喫茶部」の店名が現存。室内のテーブルやいすなども、にぎわった当時のままで、古き良き時代の時間が止まったかのように、放置されている。20代の頃、初めて笠松競馬場に遊びに行って、満席の店内で食事をしたのがここだった。確か、みそかつ定食を注文したのだが、サクサクとしたおいしさと細切れ感が妙に印象に残っている。その後もよく注文していたが、10年近く前に店じまいしてしまった。

 今では、西スタンド3階の特別観覧席内のレストランに「喫茶部西」として移転していた。ライデンリーダーの馬主さんが経営していたそうで、店内には報知杯4歳牝馬特別での優勝レイなども飾られている。競馬場の入場者数は1日800人前後に減ったが、日曜から6日連続でレースが開催されていた頃には、名古屋や多治見方面からは無料バスの送迎もあった。連日数千人のファンが押し寄せて、繁盛していた競馬場喫茶部。店名が残されているのだから、いつかリニューアルオープンできるかもしれない。 

名古屋競馬場の一角でファンから餌をもらう人気者のヤギたち

■ヤギが人気者(名古屋)

 名古屋競馬場内の北側飲食店前の一角にいるのは、かわいい2匹のヤギ。あれは昨年の東海ダービー当日。グリーンチャンネルの番組「日本列島ダービーの旅」収録中だった。リポーターの小堺翔太さんが手にした競馬新聞を食いちぎったシーンが放映され、一躍人気者になった。小堺さん、今年は番組もなく、「一人ダービーの旅」として名古屋を訪れ、ヤギにも再会できたそうだ。

 「ヤギが体調を崩すので、馬券や新聞を食べさせないでください。餌は草木や野菜のみで」と、周囲に注意書き。やっとの思いで手にした当たり馬券だけは、うっかり食べられないようにしたい。ヤギといえば、「除草隊」として美濃加茂市などで有効活用もされており、傾斜地も平気で登り、人懐こいとか。笠松では、祝日開催日や秋まつりなどでミニチュアホースの体験乗馬などが、子どもたちを対象に行われ、喜ばれている。牧歌的な競馬場の強みを生かして、動物たちとの触れ合いの機会をもっと増やせるといい。

急死したテイエムオペラオーよ安らかに。阪神競馬場の献花台では記帳するファンの姿が相次いだ

 ■テイエムオペラオー献花台(阪神)
 
 「天国でオグリと一緒に走れるね」と書き添えた。今年5月、心臓まひのため22歳で旅立ったテイエムオペラオー。和田竜二騎手とのコンビでGⅠを7勝するなど、圧倒的な強さを発揮した。阪神競馬場内に設置された追悼献花、記帳台にはニンジンやリンゴなども供えられ、多くのファンが記帳。「ナリタトップロードが待ってます」「たくさん勝たせてもらいました。ありがとう」などとメッセージがつづられていた。

 場内には回転ずし店も開店していて、ちょっと驚いた。コースを回る競走馬のように、店内をぐるぐると回る皿に手を伸ばして腹ごしらえ。再び献花台を訪れると1時間ほどで100人近くが記帳していて、名馬の人気ぶりを実感できた。今年の宝塚記念では、ミッキーロケットに騎乗した和田騎手。テイエムオペラオーで天皇賞・春(2001年)を勝って以来17年ぶりのGⅠ制覇を飾った。「オペラオーが後押ししてくれたと思います」と感極まって涙を流した。産経大阪杯(01年)では、当時まだ笠松所属だった安藤勝己さんが騎乗した芦毛馬トーホウドリームが、オペラオーを差し切って大金星を挙げたのは、痛快でもあった。 

大井競馬場では、TCK(東京シティ競馬)のイルミネーションが輝いていた

■ナイター競馬はロマンチック(大井)

 馬券は当たらなくても、ロマンチックな気分が味わえる。昨年暮れ、ヤングジョッキーズシリーズのファイナルラウンドで訪れた東京シティ競馬(TCK)の大井競馬場。4~12月のナイター開催で、場内のおしゃれ度もGⅠ級。クリスマスシーズンでもあり、イルミネーションの輝きが素晴らしかった。無料バスに乗ろうと、うろうろしていた帰り際の1枚。パドックが見下ろせる窓際の一角では、楽しそうに語り合う男女の姿も目立った。今年は「トゥインクル イッテクル」のキャッチフレーズで、若い女性のハートも射止めようと来場をアピール。大井所属の61歳・的場文男騎手は地方競馬通算7145勝(7月19日現在)。佐々木竹見元騎手の最多勝記録「7152勝」更新へのカウントダウンも進み、盛り上がっている。
 
 「馬券はインターネットで売る時代」に移行したとはいえ、競馬場の臨場感を五感で堪能できるライブ観戦の魅力は大きい。平日の昼間に開催している笠松競馬では、やはり来場者の「おやじ指数」は高く、今後は若いファンを呼び込む戦略も必要になってくる。馬券販売も好調で、老朽化したスタンドの耐震化や改築とともに、場内施設をより明るくし、馬券を購入してくれる次世代の若者や女性にも喜ばれる飲食店やスポットの新設が期待される。オグリキャップの知名度をもっと生かして、昭和レトロ感におしゃれ感覚を加味したアイデアを出して、入場者数アップにつなげていきたい。