オグリの里
アンカツさん、ライデンリーダーを語る

2019年01月11日 17:54

トークショーでファンを楽しませるアンカツさん。ライデンリーダーの思い出などを語った

 笠松競馬場に里帰りしたアンカツさん(安藤勝己元騎手)。トークショー&予想会で、名馬ライデンリーダーの思い出や減量の苦労話などを語った。司会の長谷川満さんとの漫才コンビのような軽妙なやりとりは、ホームの笠松ならでは。今回も「ぶっちゃけトーク」で大勢のファンを楽しませた。

 ―レジェンドのアンカツさん登場です。ライデンリーダーでは、デビューから10連勝でしたね。
 あの年はレベルが低かったのか、相手が弱かった。時計面でもそんなにいいタイムが出ていなかった。ライデンリーダーの調教では、みんな振り落とされていて、誰も乗りたがらなかった。変わった動きをする馬で、乗っていても付いていけなかった。僕も2、3回落ちたことがあったよ。
 
 ―4歳牝馬特別(1995年、京都)で中央に初挑戦。
 初めての芝コースだったし、スタートしてやっぱり全然付いていけないなと思ったが、直線を向いたらスイッチが入った。ごぼう抜きだったし、乗っている僕がびっくりしたよ。「中央の馬も、大したことないな」と。

桜花賞に向けて、笠松競馬場で行ったライデンリーダーの調教=1995年

 ―この年は地方・中央交流元年で、桜花賞に挑戦しましたね。
 笠松でも取材陣がすごくて、厩舎から競馬場まで歩いて付いてきた。桜花賞では単勝1.7倍で人気がすごかった。レースでは頭数も多くて、もう少し前に行きたかったが、中途半端な位置からになった。決してうまく乗れた訳ではなかったが、それでも4着だった。トライアル(4歳牝馬特別)のメンバーが大したことなかったのかな。

 ―オークスにも参戦した。
 距離が延びた方がいいだろうと、とにかく前へ行ったらバタバタになっちゃった。結果的には短距離の差し馬だったね。

 ―ローズS3着で、エリザベス女王杯にも挑み、当時の牝馬クラシック3冠レースを完走した。
 あれで僕の騎手生活が延びたよ。中央のGⅠを勝つまで騎手を辞められないと思った。いつかは笠松からでもGⅠを勝つ馬が出るだろうなあと。レジェンドハンター(99年)とフジノテンビー(2000年)はデイリー杯2歳S(GⅡ)を勝ったし、あの頃は笠松にもすごい馬がいたからね。

 (春のトークショーで、騎乗馬ベスト3にライデンリーダーが入っていなかったが、ちょっと安心した。アンカツさんのJRA入りを後押ししてくれた名牝だった)

 ―アンカツさんは海外にも参戦しましたね。
 マカオとかオーストラリアへ行って、芝コースを経験できたのは大きかった。JRAに特別指定競走ができて、笠松で認定レースを勝った馬を参戦させれば、その競馬場で1日乗ることができた。JRAでも勝つようになったら、向こうから「乗ってくれ」と依頼を受けるようになったよ。

 ―JRAの馬はどうでした。
 ライデンリーダーやレジェンドハンターのクラスの馬がごろごろいた。自分はもう40代だったし、体が硬くなっていた。レースでは、馬を抑えられなくなるから、一つ後ろからの競馬になった。

引退セレモニーで笠松の騎手たちに胴上げされるアンカツさん=2013年

 ―減量には苦労されましたか。
 ベスト体重は56キロぐらいだったから、52キロほどに落とさないといけなかった。風呂(サウナ)に行けば、必ず僕がいた。毎週3、4キロは落としていたね。でも日曜のレースが終わったら「さあ、何を食おうか」と...。(体重は)月曜には元に戻っていたなあ。ジョッキーを辞める時は、減量から解放されてうれしかった。JRAの引退式で後輩に胴上げされた時、「こんな重いジョッキーはいない」と言われた。その時は60キロ以上あったからね。(引退して6年)今ではベスト体重が65キロになったよ。

 ―それでは、ライデンリーダー記念の予想を。
 きょうは負け知らずの名古屋の馬(エムエスクイーン)がいるから、本命◎はあれでしょう。地方馬は全然見てないから、よく分からないけど...。

司会の長谷川満さん(左)の鋭い突っ込みに、予想会でも笑顔のアンカツさん

 (対抗馬については考えていなかったようで、手にした競馬専門紙をじっと眺めるアンカツさん)
 
 「北海道競馬の出身馬は強い。2歳戦はデビューが早いしね」と、門別デビューでJRA認定勝ちがある笠松勢のボルドープラージュに○、ナラに▲。もう1頭リードメロディーに△を付けた。
 
 JRAには素質馬がいっぱいいるが、地方競馬のレースでは、いつも同じようなメンバーになる。それでも、レースの流れによって勝ち馬が変わる。馬に乗るよりも、競馬を当てる方が難しいな。ファンの気持ちがよく分かったよ。

 (JRAで勝ちまくっている)ルメール騎手やミルコ騎手も、いつもちゃんと乗れてる訳ではないし、たまには失敗もする。レースで下手に乗っても勝つ馬が本当に強い馬だよ。キングカメハメハで日本ダービーを勝ったけど、誰が乗っても勝つ馬だった。僕が乗ったNHKマイルCの勝ちっぷりがすごかった。ダービーも頼まれたから「これは勝ったなあ」と思ったよ。

 ―アンカツさんの予想のポイントは。
 まず「能力」だね。勝ちっぷりから、これは強くなるという馬を狙うよ。それでも、(2着以下を)ちぎって勝つような馬に限って、相手が強くなると、こける。だから勝ちっ放しの馬が嫌いだった。下手に乗っても勝てる馬でないと、上のクラスにはいけないよ。JRAのジョッキーは、今は1回1回が勝負だから、余裕を持って乗れない。(結果を出せないと、すぐに降ろされるから)余計、うまいレースをしないといけないから大変だね。

ライデンリーダー記念のゴール前は大接戦。ボルドープラージュ(内側)を差し切って優勝したエムエスクイーン

 ライデンリーダー記念がスタート。7連勝中のエムエスクイーン(今井貴大騎手)は、それまで大差勝ち4度を含め、2着馬に計60馬身以上をつける圧勝続きだったが、初馬場の笠松に戸惑ったようだ。ラブミーチャン記念を勝ったボルドープラージュ(渡辺竜也騎手)が直線で先頭に立ち、押し切るかという勢い。3番手から追撃したエムエスクイーンは、ゴール寸前で何とか差し切り勝ち(クビ差)。無傷で中央に挑戦したライデンリーダーに続く活躍が期待されている。

ライデンリーダー記念の表彰式。今井貴大騎手に花束を渡し、関係者をたたえるアンカツさん(中央)

 表彰式では、アンカツさんがプレゼンターを務め、今井騎手に花束を渡して関係者を祝福。予想通り3連単を的中させたが、思わぬ大接戦にゴールでは「ヒヤッとしたね」と苦笑い。トークショーの最後に「以前来た時、寂しいこともあったけど、きょうは笠松競馬に活気があるところが見られた。皆さん、これからも笠松を応援してあげてください」とファンに呼び掛けていた。

 集客力抜群のアンカツさん。この日の来場者は3100人余りと大入りとなった。間近でアンカツ節を楽しんだ遠来のファンも多く、今年もオグリキャップ記念などでの再会を楽しみにしている。もちろん、自らの冠レースとなる「アンカツ記念」などが創設されれば最高だろう。園田の「小牧太カップ」を参考に、笠松のリーディング上位10人によるジョッキー戦はどうだろう。実現すれば、アンカツさんも「名馬、名手の里」に来場しやすいし、笠松ファンの楽しみも広がることだろう。