オグリの里
渡辺騎手が優秀新人騎手賞
笠松勢の重賞V相次ぐ

2019年01月19日 07:19

NARグランプリ2018の優秀新人騎手賞に選出された渡辺竜也騎手。YJS名古屋ラウンドでは2連勝を飾った

笠松競馬ファンの前で行われた渡辺騎手通算100勝のセレモニー

YJSファイナルラウンドの中山の芝コースでは2着と好走した

 笠松競馬に明るいニュースが飛び込んできた。地方競馬全国協会(NAR)は16日、昨年活躍した人馬をたたえる「NARグランプリ2018」の表彰馬と表彰者を発表。デビュー2年目で64勝を挙げた渡辺竜也騎手の「優秀新人騎手賞」受賞が決まった。

 ラブミーチャンが2度(NARグランプリ2009、2012)受賞した年度代表馬には、キタサンミカヅキ(船橋)が選出された。愛知勢では最優秀勝率調教師に川西毅調教師(3年連続6回目)、優秀女性騎手賞には宮下瞳騎手(2年連続10回目)が選ばれた。
 
 渡辺騎手は「うれしいです。先生(笹野博司調教師)ら周りの人に恵まれました。大事なレースやいい馬にたくさん乗せてもらえ、技術面でも向上し、1年前と比べて成長できました。デビューした年からのヤングジョッキーズシリーズ(YJS)挑戦は貴重な経験になりました。応援してくださるファンの方があっての競馬なので、いつも感謝しています」と喜びを語った。

 18歳の渡辺騎手は笹野厩舎に所属。一昨年4月に笠松競馬でデビューし「V字」をデザインした勝負服で1年目に38勝。2年目に勝ち星を増やし、昨年末には地方通算100勝を突破。若手を対象にした「減量騎手」を卒業し、先輩騎手と同条件で戦うようになった。

 地方競馬とJRAの若手騎手が腕を競うYJSでは、名古屋ラウンドで2連勝。年末のファイナルラウンドには地方騎手でただ一人、2年連続で進出(西日本トップの成績)し、大井、中山での計4戦に挑んだ。中山での騎手紹介式では西日本の地方騎手を代表して「白川郷で有名な岐阜県から上京しました」とあいさつし、地元の観光地と笠松競馬をアピール。レースでは2日間総合で9位に終わったが、中山の芝コースで2着と好走し、中央競馬ファンからも大きな声援を受けた。

YJSファイナルラウンドの中山で、西日本の地方騎手を代表してあいさつする渡辺騎手(左)と、落合玄太騎手(北海道)

 優秀新人騎手賞の表彰はデビュー2年目までの騎手が対象で、1990年の創設以来、赤岡修次騎手(高知)、御神本訓史騎手(大井)、吉原寛人騎手(金沢)ら地方競馬の現役トップジョッキーも受賞。2年前には愛知の加藤聡一騎手が56勝を挙げて受賞した。

 今回は、1年目で北海道リーディング5位の57勝(川崎でも1勝)を挙げた、20歳の落合玄太騎手も有力候補だったが、渡辺騎手が勝利数で上回り、YJSでも活躍し、受賞が決まった。名手が多い笠松競馬だが、NARの優秀新人騎手賞受賞は初めてとなる。池田敏樹騎手は福山時代の2003年に受賞している。

 渡辺騎手を預かる笹野調教師は3年連続の笠松リーディング。調教などからフリーで伸び伸びと騎乗させていて、「一生懸命、勝ち星を積み上げて精神的にも成長し、そつなく乗れるようになった。最後の直線でもっと追えるジョッキーになって、上を目指してほしい」と大きなレースでの活躍を期待している。

ライデンリーダー記念、ボルドープラージュで2着の渡辺騎手

 昨年暮れのライデンリーダー記念では、今年の東海ダービー最有力候補の名古屋・エムエスクイーンをボルドープラージュ(笹野厩舎)で迎撃。ゴール寸前で差し切られたが、「王道の2番手から」という渡辺騎手の好騎乗で大健闘の2着。ゴール前では歓声が上がり、「勝ったかと思った。惜しかった」と女性ファンらが残念そうだった。今年は「重賞初V」を大きな目標に掲げており、ゴール前での競り合いに強いジョッキーを目指している。

筒井勇介騎手が騎乗したダイヤモンドダンス(5)が東海ゴールドカップを圧勝した

 渡辺騎手とともに、同じ笹野厩舎の水野翔騎手(移籍2年目の21歳)ら若手の活躍が起爆剤となって、中堅、ベテランも奮起。笠松勢はこのところ好調で、重賞Vが相次いでいる。
 
 「地元馬、11年ぶりの優勝です」と力を込めた実況アナ。近年は名古屋や園田からの遠征馬に優勝をさらわれるレースが多くて、悔しい思いをしてきた笠松関係者だったが、流れは変わりつつある。年末年始の東海ゴールドカップ、白銀争覇で笠松勢が地元重賞を連勝。オグリキャップの時代から、中央勢に挑み続けた歴戦の名馬たちを知っているファンに「笠松勢の復活」を印象付けた。 
 

9歳馬ダイヤモンドダンスの重賞初Vを喜ぶ関係者

 


 大みそかの東海ゴールドカップでは、笠松勢が5年ぶりに制覇し、関係者の歓喜の輪が広がった。翌日には10歳になるというダイヤモンドダンス(花本正三厩舎)が名古屋勢を圧倒し、4馬身差の完勝。スタートでメモリージルバが落馬する波乱もあり、2着にフロリダパンサー、3着にカガノカリスマと笠松勢が上位を独占した。  
 
 勝ったダイヤモンドダンスは6番人気で、筒井勇介騎手が騎乗。レース前には地方通算1000勝達成のセレモニーがあったばかりで気合満点。ゴール後には「やったな、夢がかなった」と、花本調教師や馬主ら関係者が筒井騎手を囲んで、9歳馬の圧勝劇を喜んだ。陣営悲願の重賞制覇は、年の瀬の心温まるワンシーンとして、ファンの胸に深く刻まれた。

 筒井騎手は「お世話になってきた馬主の安東さんの馬でこの大一番を勝てて、うれしいです。乗り味がすごく良い馬で、仕上げてくれた先生のおかげです。新年もよりいっそう頑張っていきたい」と満面の笑み。騎手引退から3年目の花本調教師にとっては、うれしい重賞初制覇。「やっと取れたわ。悔いのないように今回は目いっぱい仕上げたが、その通りになって良かった」と喜び、ファンの声援に応えていた。

佐藤友則騎手が騎乗したストーミーワンダーが白銀争覇で重賞初V

 元日には名古屋の湾岸ニュースターカップで笠松勢2頭が、名古屋勢を大きく引き離してワンツーフィニッシュ。藤原幹生騎手が騎乗したブライアンビクター(大橋敬永厩舎)が逃げ切り。2日連続での笠松勢の重賞勝ちとなった。メンバーが手薄だったとはいえ、2着は佐藤友則騎手のフォアフロント(井上孝彦厩舎)で、これまでのうっぷんを晴らしてくれる痛快なマッチレースを見せてくれた。

 10日の笠松・白銀争覇では、佐藤騎手騎乗のストーミーワンダー(笹野厩舎)も重賞初制覇。昨年296勝を挙げた全国リーディングの兵庫・吉村智洋騎手が参戦したが、園田で重賞勝ちがあるナナヨンハーバーを2着に退けた。

佐藤騎手(左)の白銀争覇Vは、笹野博司調教師(中央)の誕生日プレゼントにもなった

 佐藤騎手は新春シリーズの4日間で14勝と白星を量産して、4年連続リーディングへ好スタート。地元馬11年ぶりの白銀争覇Vでは、「きょうは先生(笹野調教師)の誕生日だと聞いていた。4コーナーで先頭に立ったところで『誕生日プレゼントになったなあ』と感じ、余力たっぷりのVでした。笠松にとっても期待が大きい馬(牡5歳)で、オープンで勝っていく力がある」と、地元のスターホースの重賞初Vを喜んだ。

 笠松では24日に3歳重賞・ゴールドジュニアが開催され、地元勢が兵庫勢2頭と名古屋の1頭を迎え撃つ。今年1年、いい流れをキープして重賞戦線を突っ走りたい。