オグリの里
イブキで春の息吹、東川騎手がJRA交流戦V

2019年03月01日 15:48

東海ゴールドカップ6着だったイブキと東川公則騎手のコンビ。JRA交流戦の春寒特別では勝利を飾った

 ベテランの東川公則騎手が、JRA勢を相手に鮮やかな一撃を決めてくれた。

 2月20日に笠松で行われたJRA交流戦(A3特別、500万クラス)の「春寒特別」。東川騎手は4番人気のイブキ(牡5歳、法理勝弘厩舎)に騎乗し、2番手から先頭へ。最後の直線では、ミスレジェンド騎乗の野中悠太郎騎手と一騎打ちになったが、ゴール前で差し返してアタマ差勝利。馬名の通り、木曽川河畔に「春の息吹」を感じさせる痛快Vを運んでくれた。

 2着・野中騎手は藤田菜七子騎手の兄弟子でもある。昨年はJRAで2勝に終わったが、今年は笠松参戦を挟んで、2週間で3勝を挙げる大活躍。波乱を演出する「穴男」ぶりを発揮してくれた。菜七子騎手は6日の笠松競馬に初めて参戦することが決まった。第11RのJRA交流戦・つくし賞でヒマリチャン(村山明厩舎)に騎乗する。

 イブキは笠松4戦目で初勝利。JRA時代には新馬戦を勝ち、新潟2歳S3着(田辺裕信騎手)など重賞を4戦した実力馬。潜在能力は高く、「久々の追い切りもいい動きだったよ」と東川騎手。笠松でリフレッシュして、オープンクラスでも大きな飛躍が期待できる一頭になった。

 JRA交流のA3組戦で笠松勢が勝ったのは、1年前の春寒特別でのベルボーム以来。中央馬優勢が続いていたが、直線のたたき合いで競り勝ったイブキは、東川騎手の健在ぶりを示す価値ある1勝となった。徐々にではあるが賞金のアップとともに、競走馬もレベルアップしてきた笠松競馬。東海ゴールドカップ、湾岸ニュースターカップ、白銀争覇で重賞V。昨年暮れからのいい流れを、またグイッと引き寄せることができた。久々に祝日開催となる3月21日のマーチカップも期待できそうだ。
 

ラブミーボーイに騎乗し、地方競馬通算2700勝を達成した東川騎手

 愛知県出身の東川騎手は、武豊騎手と同じ1969年生まれで49歳。87年にデビューし、32年間笠松一筋。2004年にはミツアキタービンで、GⅠフェブラリーSに初挑戦。先行粘り込みで、アドマイヤドンから0.2秒差の4着に食い込んだ。安藤勝己、川原正一騎手の両エースが抜けた後、東川騎手は笠松リーディングを6回獲得。騎手会長も務め、経営難に苦しんでいた笠松競馬の存続を先頭に立って引っ張ってきた功績は大きい。2月末現在で地方競馬通算2739勝、中央でも5勝を挙げている。
 
 東川騎手にとって大きな励みは、息子の慎君が笠松の騎手になること。2年前に入所した地方競馬教養センターで厳しい訓練を積み、笠松でも昨年夏から候補生として調教実習などに励んだ。3月末の修了式を無事迎え、大きく成長した姿を見せられれば、騎手免許が交付される。笠松4月開催でデビュー予定で、親子対決が楽しみとなる。
 

東川騎手の息子・慎君(左)は、4月に笠松競馬でデビュー予定(笠松競馬提供)


 昨年7月には、ラブミーボーイ(ラブミーチャンの長男)で地方競馬通算2700勝を達成。セレモニーで東川騎手は「大きなけがもなく無事に騎乗してきたことを大切にして、3000勝を目指します」と宣言。今年の抱負は「息子に負けないように頑張ります。重賞レースも勝ちたいです」と意欲。慎君も「早く自分も騎手になって、一緒に走りたいです。父の3000勝は、親子で出場したレースで達成したらいいですね」とデビューを夢見ている。

 笠松のベテラン勢では、50代ジョッキーが2人いる。地方通算3433勝の向山牧騎手は、笠松所属騎手の最多勝記録を更新中。4000勝を大きな目標に掲げているが、末永く「還暦ジョッキー」も目指してほしい。笠松最年長の54歳・高木健騎手は通算1074勝。1982年の新人時代から印象深かった騎手で、笠松競馬に通い始めた頃、高配当の馬券ゲットに貢献してくれた。今年は未勝利だが、まだまだベテラン健在で頑張ってほしい。

ライデンリーダー記念2着のボルドープラージュと渡辺竜也騎手。園田ユースカップでも2着と健闘した

 
 兵庫で7年ぶりに復活した3歳重賞・園田ユースカップには、笠松勢2頭が挑戦した。園田初参戦の渡辺竜也騎手が、9番人気の牝馬ボルドープラージュ(笹野博司厩舎)に騎乗し、先行策で大健闘。最後の直線でも先頭をキープ。ついに「渡辺騎手重賞初V達成か」という勢いだったが、そう甘くはなかった。田中学騎手騎乗の1番人気・ジンギにゴール寸前で差し切られ、惜敗した。湾岸ニュースターカップVのブライアンビクター(大橋敬永厩舎)は伸び切れずに6着に終わった。

 ボルドープラージュは、昨年の笠松競馬「2歳最優秀馬」。秋風ジュニア、ジュニアクラウン、ラブミーチャン記念を3連勝しており、出世街道をひた走る名牝。昨年末のライデンリーダー記念でも渡辺騎手が騎乗し2着だったが、逃げ粘って持ち味を発揮するタイプ。園田ユースカップ優勝馬は、NHKマイルCのトライアルに出走できただけに惜しい一戦となった。

「NARグランプリ2018」の表彰式。優秀新人騎手賞に輝いた渡辺騎手(笠松競馬提供)

 重賞初Vにあと一歩届かなかった渡辺騎手。2月25日、都内で行われた「NARグランプリ2018」の表彰式に、東海地区からは愛知の宮下瞳騎手(優秀女性騎手賞)、川西毅調教師(最優秀勝率調教師賞)と共に出席し、喜びを語った。

渡辺騎手と優秀女性騎手賞の宮下瞳騎手(笠松競馬提供)

 渡辺騎手はデビュー2年目で64勝を挙げ、優秀新人騎手賞に輝いた。通算100勝を突破し、減量騎手を卒業。ヤングジョッキーズシリーズには、地方騎手でただ一人2年連続出場。「いろいろな競馬場で自分のパフォーマンスを披露でき、貴重な経験をさせてもらいました。ファイナルの大井や中山ではファンも多くて楽しく乗れました。1年目は減量もありましたが、2年目は勝つためにどうしたらいいのかすごく考えるようになった。笠松は先行有利なコースで、ゲートを出ることには一番集中しています。今年は重賞を勝ちたいです」と闘志。

 重賞勝利を含めて53勝を飾った宮下騎手は、2年連続10度目の受賞。「子育てをしながらの騎手生活は大変だけど、レースが終わって子どもの顔を見たら、疲れが吹っ飛びます。女性騎手になりたいと思う人が増えてくれたらうれしいです。重賞を勝ちたいし、年内に800勝を達成し、1000勝を目指したいです」と意欲。

 2019年は、笠松を代表するジョッキーへと飛躍の年にしたい渡辺騎手。6月の東海ダービーでは、自厩舎のボルドープラージュで笠松勢連覇(昨年のビップレイジングに続いて)の夢も広がる。5月の駿蹄賞も含めて、ライデンリーダー記念Vのエムエスクイーン(名古屋)との一騎打ちに持ち込み、重賞Vをつかみ取りたい。