オグリの里
「ニュー」が快走! 年末年始の笠松競馬盛況
ニュータウンガール、ニューホープ重賞V

2020年01月11日 09:58

ライデンリーダー記念を圧勝したニュータウンガールと向山牧騎手

 「NEW!がある。地方競馬」(NAR)のキャッチフレーズ通り、駆け抜けた笠松のフレッシュな若駒たち。ライデンリーダー記念は、向山牧騎手のV宣言通りにニュータウンガール(牝2歳、井上孝彦厩舎)が圧勝。大みそかの東海ゴールドCは、丸野勝虎騎手騎乗のニューホープ(牡3歳、田口輝彦厩舎)が制覇。2日続きで笠松勢が名古屋勢を圧倒して重賞Vを決め、地元ファンを喜ばせた。イベントも盛りだくさんの年末年始、笠松競馬は盛況で馬券販売も好調だった。

 2歳牝馬重賞のライデンリーダー記念(SPⅠ、1600メートル)。ニュータウンガールは追い切りから絶好調で、向山騎手が「落ちなかったら、勝ちます」と豪語するほど自信満々だった。レース前には、笠松競馬出身でJRA所属の柴山雄一騎手のトークショー&予想会も開かれ、「いつもはそんなこと言わない牧さんなのに...」と、柴山騎手も3500勝ジョッキーの勝利を確信。3番手から4コーナーで先頭に立ち、押し切る圧巻のレース内容。2着の名古屋・ビックバレリーナ(今津博之厩舎)に3馬身差をつけてゴール。単勝1.1倍の人気に応えたが、1分39秒8という破格のタイムには驚かされた。3着には水野翔騎手騎乗の9番人気・ボルドープリュネ(笹野博司厩舎)が突っ込んだ。

 ニュータウンガールは昨年、門別でデビュー勝ちし、9月に笠松へ移籍。準重賞のジュニアクラウン、ジュニアキングで牡馬ダルマワンサを撃破。ラブミーチャン記念では川原正一騎手騎乗のテイオーブルベリー(北海道)に敗れ2着だったが、1戦ごとに成長。ライデンリーダー記念では、向山騎手が「どこからでも行ける馬で、調子がいいんで、早くかわしちゃえ」とゴーサイン。井上調教師も「調子は上向きで、道中は無駄な脚は使わなかった。先が楽しみな馬で距離は1800メートルぐらいまでかな」と、ゴールドジュニア(1月23日)など今後の重賞戦線にも手応え十分。さらなる進化を見せて、東海ダービー馬の座も狙ってほしい逸材だ。

表彰式で向山騎手に花束を贈った後、一緒に勝利を喜び合う柴山雄一騎手(右)

 昨年、笠松でのJRA交流戦にも騎乗した柴山騎手。表彰セレモニーでは、「優勝おめでとうございます」と向山騎手に花束を手渡し、詰め掛けたファンに囲まれて大盛り上がり。円熟味を増して好調の向山騎手はこのところ、笑顔も多くなって好感度アップ。柴山騎手にとっては7年間在籍した笠松時代、同じレースで腕を競い合った仲でもあり、サインや記念撮影など一緒にファンサービスに努めていた。

 笠松から独学でJRA騎手試験に合格した柴山騎手は特設ステージでもスマイル全開。「騎乗する馬は、ちゃかついているよりは、まだ入れ込んでいる方がいいです。でも2歳馬が入れ込んでいると厳しいですね。ライデンリーダー記念は、専門紙の予想通りで、本命の牧さんから。10年ぶりぐらいに馬券を買いましたが、マークカードを2回ぐらい塗り直しました。(中央競馬で)自分が乗る時は、1番人気だとプレッシャーもあるので、『3、4番人気ぐらいで一発』というのがいいです」と、パドック解説を務める司会の長谷川満さんと爆笑トーク。じゃんけんゲームでは、サイン入りゼッケンやゴーグルなどをプレゼントしていた。

笠松競馬の所属騎手がパドック前で整列し、吉井友彦騎手会長が年末のあいさつを行った。餅まきもあり、大勢の来場者でにぎわった

 大みそかには、笠松競馬所属騎手による年末のあいさつがあり、スタンド前では餅まきも行われ、大勢の来場者でにぎわった。吉井友彦騎手会長は「新年はオリンピックが開催され、スポーツ界が盛り上がります。ジョッキーもアスリートとして白熱したレースを皆さんに見せられるようにしたいです。笠松競馬をよろしくお願いします」と述べ、大きな拍手を浴びていた。年明けの7日には、騎手17人の写真付き年賀状を来場者にプレゼントした。

東海ゴールドCのゴール前。笠松のニューホープ(丸野勝虎騎手)が制覇した

ニューホープで東海ゴールドCの優勝を飾り、喜びの関係者

 東海ゴールドC(SPⅠ、1900メートル)では、本命候補だった名古屋のメモリージルバが厩舎内でけがを負い、出走を取り消し、10頭立てになった。ニューホープは4コーナーで先頭を奪い、1番人気の名古屋・リーガルマインド(牡3歳、竹下直人厩舎)の追撃を振り切り、半馬身差で制覇。3歳馬のワンツーとなった。3着には9番人気の穴馬・ドリームスイーブル(牡4歳、尾島徹厩舎)が食い込んだ。

 ニューホープは金沢所属時に岐阜金賞を優勝。岩手に移籍後、盛岡・ダービーグランプリでも5着と健闘。東海ゴールドCに照準を合わせて笠松に復帰した。吉田勝利オーナーにとっては、笠松所属馬でのうれしい地元重賞Vになった。「馬の力を信じて騎乗しました。しぶとく伸びてくれ、今後も活躍が楽しみ」と丸野騎手。東海ゴールドCの選定馬には当初、ストーミーワンダーやチャイヤプーンの名前もあり、「強い馬が回避していって、運もある馬。JRAのレース(阪神)を使ってここが目標で、よく走ってくれた。距離は1800メートルぐらいが一番いいですね」と田口調教師。息子の貫太君は、JRA競馬学校騎手課程に合格しており、中央競馬のジョッキーを目指すことになる。

 新春シリーズでは、今年の笠松初重賞・白銀争覇(SPⅢ、1400メートル)が行われた。昨年はストーミーワンダーが重賞初Vを飾り、躍進への大きな一歩を踏み出したレース。今年は、笠松のサマーC勝ちがある兵庫・エイシンエンジョイ(牡5歳、橋本忠明厩舎)が、鴨宮祥行騎手の騎乗で鮮やかに逃げ切った。笠松勢では、丸野騎手騎乗の5番人気・スティンライクビー(セン馬8歳、伊藤強一厩舎)が2着に追い込んだ。

年末3日間で1万人を超える入場者があり、にぎわった笠松競馬場

 年末年始、盛況だった笠松競馬。場内では「よく荒れているねえ」といった声が聞かれ、波乱のレースも多かった。天候に恵まれた29日、場内ではラーメンフェスタなどのイベントも人気を集め、入場者4000人を超えて大入りだった。この日の馬券販売額は4億8820万円。魅力あるレースや楽しいイベントでファンを呼び込もうと、アイデアを練る競馬場関係者の努力が実った。

 昨年はオグリキャップ記念開催日に5億4831万円を記録したが、「5億円超え」は新春2日目にも意外な形で達成された。8日、園田競馬では朝方からの降雨で馬場コンディション不良。競走馬の転倒、騎手の落馬があって、第4レース以降を取りやめた。このため、昼間の開催地は笠松だけとなり、昨年の記録並みの5億4231万円の馬券販売があった。

 7年連続となる黒字も見込まれる笠松競馬。1月からのレース賞金は、ほとんどのクラスで1~2割増額された。C級の最も賞金が安いクラスで1着は20万円から24万円に、A2クラスでは51万円から60万円にアップ。賞金や手当が増えれば、ジョッキーや厩舎スタッフのモチベーションにもつながるだろう。馬主さんには「競走馬の預託料も比較的安くて、腕のいい調教師が多い笠松に預けてみよう」という気になってもらえれば、喜ばしいことだ。花本正三厩舎に入厩した期待馬チャイヤプーンは次開催・東海クラウンに参戦予定。ストーミーワンダーは捻挫のため回避が続いたが、じっくりと乗り込んで調整し、復帰を目指している。重賞戦線での競走馬の活躍とともに、若手、中堅、ベテランと有能なジョッキーがそろった笠松競馬。新春シリーズから好ムードで、飛躍の年にできるといい。