オグリの里
今年の期待馬、チャイヤプーンが笠松Vデビュー
ニュータウンガールは名古屋勢圧倒し、重賞2連勝

2020年02月01日 13:42

チャイヤプーンに騎乗した向山牧騎手

 今年の笠松競馬の期待馬たちが好発進。一昨年のダービーグランプリ優勝馬で重賞6勝のチャイヤプーン(牡5歳、花本正三厩舎)が、笠松移籍初戦となった東海クラウン(オープン、1600メートル)を、向山牧騎手騎乗で勝利を飾った。昨年末のライデンリーダー記念を勝ったニュータウンガール(牝3歳、井上孝彦厩舎)は、名古屋の梅桜賞(SPⅡ、1800メートル)で差し切りVを決めて重賞2連勝。名古屋勢を撃破し、騎乗した佐藤友則騎手は、東海ダービー制覇への意欲を示した。

 岩手から南関東(船橋)を経て笠松に移籍してきたチャイヤプーン。水沢、盛岡で重賞5勝。川崎の戸塚記念も制覇するなど、これまでの実績からも大物感が漂う。昨年は南関東でオープンクラスを4戦して2着が最高だったが、笠松所属馬としてどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。全国レベルの力量馬として注目され、ファンも多い。

東海クラウンのゴール前、チャイヤプーンが粘り込んで笠松初Vを飾った

 5カ月ぶり実戦となった東海クラウンは、前走からプラス27キロと太め残りで出走。好位2番手から楽な手応え。3コーナーでは先頭を奪うと、東海ゴールドC3着のドリームスイーブル(牡5歳、尾島徹厩舎)の追い上げをしのいでゴール。ダービーグランプリ以来、1年1カ月ぶりの勝利となった。

 レース後、チャイヤプーンを管理する花本調教師に話を聞くことができた。

 「2番手からちょうどいい位置取りでしたが、抜け出したら遊んじゃって。本気で走っていなかった。まだ重く、もう10キロは絞れる」。タイムは1分40秒8。「まずまずで、次走は笠松重賞のウインター争覇(SPⅢ、1800メートル)を予定。2週(中12日)しかないが、追い切り代わりになったし、その方が気合は入る。夏からレースで使ってなくて、きょうの仕上がりは65%程度。おとなしく、おっとりしていて仕上げにくい馬。もう少しカリカリしてくれた方がいい」と今後の成長力に期待。

一昨年の東海ゴールドCをダイヤモンドダンスで制覇した花本正三調教師

 ビッグネームが笠松に移籍してきたのは、昨年の成績がもう一つだったこともあり、笠松の「再生工場」で復活を願ってか。「南関東の仲の良い調教師から『やってみないか』と...。馬は夏バテしていたが、運も良くて笠松へ来ることになった」という。最後はドリームスイーブルに詰め寄られて、完勝とはいえなかった笠松初Vについては「こんな感じになるかなあと。すっきりと仕上がっていたら違うが、太めで不安はあった。力はあっても、本気で走らないところがある」と振り返った。

 それでも「勝利には、ホッとしています。まだこれからだが、地方・中央の交流重賞にも、チャンスがあれば行きたいね。園田は馬場的に合いそうだし、果敢に攻めてみたい。馬の状態が良ければ、名古屋にも挑戦したい」と。まだ良化途上にあり、本格化は先になりそうだが、重賞戦線での活躍が楽しみだ。

 花本調教師は、益田で騎手デビューし、高知を経て笠松へ移籍。37年間に地方通算2286勝を挙げたジョッキー人生に4年前、別れを告げて調教師に転身。「笠松だけでなく、全国で通用する強い馬を一生懸命育てていきたい」と夢を語っていた。ダイヤモンドダンスで一昨年の東海ゴールドCを制し、重賞初Vを飾っている。

 チャイヤプーンには、昨年重賞5勝のストーミーワンダーと競い合って今年の古馬戦線を引っ張っていってほしい。チャイヤプーンが勝った水沢・ダービーグランプリといえば、地方3歳馬の頂上決戦で、笠松ではトミシノポルンガが安藤勝己さん騎乗で制覇(1992年)。ルイボスゴールドは坂口重政さん騎乗で優勝(95年)。地方のホースマン憧れのレースでもある。一昨年は岐阜金賞Vのクリノヒビキ(兵庫)が2着に、昨年はニューホープ(当時岩手、現笠松)が5着に食い込んでいる。

名古屋重賞の梅桜賞を制したニュータウンガール(1)と佐藤友則騎手(名古屋競馬提供)

 門別でデビュー勝ちしたニュータウンガールは昨年9月、笠松へ移籍。ジュニアクラウン、ジュニアキングを制覇。ラブミーチャン記念では、川原正一騎手騎乗のテイオーブルベリー(北海道)に敗れ2着だったが、東海勢には先着を許していなかった。梅桜賞では地元・名古屋のエムエスオープン、ビックバレリーナら強敵ぞろい。単勝1.6倍で1番人気のニュータウンガールは好位3番手を進み、4コーナーから追撃開始。佐藤騎手のすごみのある手綱さばきで、ゴール直前ではグイッと一伸びし、半馬身差の勝利。抜け出して遊ぶ癖が出ないよう、きっちりと差し切り、強さが際立った。逃げ粘ったビックバレリーナが2着、エムエスオープンは3着に終わった。

 佐藤騎手は南関東への期間限定騎乗もあって、自厩舎のニュータウンガール騎乗は秋風ジュニア(4着)以来となった。「自信を持って乗りました。本番はまだ先なんで、目いっぱいの仕上げではなかったが、追い切りの動きも抜群で、最後の直線に向いて、かわしてくれるだろうと。この馬で東海ダービーを目指したい」と、手応え十分の走りに満足そう。騎手人生を懸けて「ダービーを取れということでしょうから、ラストチャンスのつもりで頑張りたい」とも。デビューから20年。自身初めてとなるダービージョッキーの座獲得へ大きなチャンスが巡ってきた。

 2月6日に行われる笠松・ウインター争覇は、豪華な顔ぶれになりそうだ。チャイヤプーンをはじめ、笠松の大将・ストーミーワンダー、東海ゴールドCを制覇したニューホープ、梅桜賞2着のドリームスイーブルが出走予定。名古屋勢はマイル争覇を逃げ切ったサムライドライブ、笠松を得意とするメモリージルバが有力だ。

笠松で期間限定騎乗の関本玲花騎手。名古屋で先に初勝利を飾った

 笠松で期間限定騎乗の関本玲花騎手は、名古屋競馬にも挑戦。1月30日には、1番人気のフミタツイロハ(牝5歳、宮本仁厩舎)で、東海地区での初勝利を飾った。名古屋では6戦目、4キロ減の軽量を生かして2番手から追走。ゴール前では4頭が並ぶ大接戦をハナ差で制覇。騎乗馬を54戦目での初勝利に導いた。 名古屋には水野翔騎手も参戦。最終レースで連勝するなど4日連続での勝利で存在感を示している。また関本騎手と同期で羽島市出身の浅野皓大騎手もブレーク。昨年は3カ月で1勝だったが、1月は4勝を挙げる活躍を見せている。

 関本騎手は、地方競馬に所属する女性ジョッキーが腕を競う「レディスヴィクトリーラウンド」にも参戦。高知ラウンド(2月4日)、佐賀ラウンド(2月22日)に続き、最終の名古屋ラウンド(3月12日)に挑む。南関東での短期免許で初Vを挙げたミカエル・ミシェル騎手(フランス)も電撃参戦。前回優勝の木之前葵騎手らとともに、女性7人による熱戦が繰り広げられる。2月の笠松開催で関本騎手は3日、5~7日と、17~21日に騎乗予定で、当地初勝利を目指す。