オグリの里
渡辺騎手騎乗のボルドープリュネがクイーンカップ制覇
今年の笠松重賞で地元ジョッキー初V

2020年06月27日 14:04

クイーンカップのゴール前、渡辺竜也騎手とボルドープリュネのコンビが重賞を初制覇。追い上げたチェリーヒックが2着

 地元勢がようやく意地を見せてくれた。笠松競馬場で19日行われたクイーンカップ(SPⅢ、1600メートル)は、渡辺竜也騎手(20)騎乗のボルドープリュネ(笹野博司厩舎)が3歳女王に輝いた。今年の笠松では9戦目の重賞レースだったが、地元ジョッキー騎乗では初めての勝利となった。

 南関東では水野翔騎手が20勝を挙げ、派手に目立っていたが、同じ笹野厩舎の渡辺騎手も「負けていられない」と地元で奮起。ボルドープリュネに重賞初Vをもたらした。今年、地元馬は重賞を2勝(ウインター争覇、マーチカップ)しているが、いずれも名古屋の騎手が騎乗。兵庫と名古屋の騎手がともに4勝しており、地元騎手は悔しい思いをしてきた。

 レースは1番人気のビックバレリーナ(今津博之厩舎)が先行。2番人気のボルドープリュネは3番手から追走し、3コーナーで先頭を奪うと、そのまま押し切ってゴール。大外から追い上げた筒井勇介騎手騎乗のチェリーヒックが半馬身差の2着。さらに3馬身差の3着にスカイガーデンが入り、笠松勢が上位を独占した。

重賞Vを飾り、笑顔の渡辺騎手

 勝ったボルドープリュネは、父ワールドエース、母リアクションレートという血統。前走のヒロインカップに続いて2連勝。

 雨上がりでの表彰式。地元勢が勝つと、歓喜の輪が広がって盛り上がる。無観客開催中は勝利騎手インタビューだけだったが、クイーンカップでは表彰式が復活。騎手、調教師、馬主の栄誉をたたえた。

 渡辺騎手は「手応え抜群で早めに先頭に立った。調教から毎日乗っていて、調子は前走より良かった。追ってビューッと伸びる馬でもないが、頑張ってくれました」。ゴール手前では「勢いよく突っ込んできたのが筒井さんだったので、ちょっとびびりました」と苦笑い。

 「小柄ですが、スピードがあって道中も乗りやすい馬ですね。コロナが落ち着いてお客さんが入ったときに、また活躍できるように頑張りたいです」と会心の勝利を喜んだ。笠松の騎手の地元重賞初Vについては「意識してなかったです。距離は1600メートルまでかと思います」と話し、今後の活躍を期待していた。

3歳女王に輝いたボルドープリュネを囲んで喜びの関係者(笠松競馬提供)

 笹野調教師は「南関東で翔(水野)、笠松で竜也(渡辺)が存在感を発揮してくれた」と2人の活躍に喜びのコメント。トライアルのヒロインカップを勝って好仕上がりで臨み、重賞初Vに導いた。

 チェリーヒックで猛然と追い込んだ筒井騎手。ダルマワンサで挑んだ清流カップ(SPⅠ)では、早仕掛けのせいか、ゴール前の脚色を鈍らせて2着。頭を丸刈りにして気合を入れ直して挑んだクイーンカップ。差し届かずに2着だったが、7番人気馬で好走。今年も騎手リーディングのトップを快走中で、持ち味を発揮した。

 3着・スカイガーデンは384キロと小柄な牝馬。前走10着だった東海ダービーでは相手が強過ぎた。クイーンカップでも同じ馬体重だったが、中団からじわじわと伸びた。名古屋を使ったことが、9番人気での好走につながった。

 伸び盛りの3歳牝馬たち。東海ダービー馬・ニュータウンガールの背中を追って、さらなる成長が期待されている。

 ■馬場改修できれいなコースに

 笠松競馬場の馬場改修が始まった。ポイントは①走路の路盤改修②ラチの交換③向正面にフェンス設置―の3点。 

馬場改修が始まった笠松競馬場。朝の調教はコースの半分を使って行われている。

 ①走路の路盤改修
 路盤改修は2011年以来で9年ぶり。砂の深さは8、9センチ。ダートコースでは定期的に砂が補充されるが、競走馬が調教やレースで走ると、コースの砂は踏み固められ、徐々に土が固結した状態になる。でこぼこしたり、水たまりができる箇所もある。路盤は1年に約3センチずつ積み上がり、9年間で30センチ近くにもなる。このため、堆積した分を重機で削り取っていく。幅20メートル、1周1100メートルのコース全域で実施する。

 理想的なコースの状態は、各コーナー付近で外側から内側に2%ほど傾斜していること(直線では0.8~1%程度)。水がたまりやすい第1、第4コーナー付近を中心に、外柵から内柵へ向かって傾斜をつけていく。内ラチ沿いには砂がたまりやすく、きれいなすり鉢状に削ると、水はけが良くなり、走りやすくなるという。

 早朝の調教は続けられており、路盤の切削作業は内ラチ沿い→外ラチ沿いの順で半分ずつ実施。7月15日までは外ラチ側の半分を使った調教が行われる。気温が30度近い中、名古屋開催や改修後のレースに備えて、騎手たちは連日攻め馬に汗を流している。

内ラチ沿いでは柵が外され、路盤を切削する作業が進められている

 ②ラチの交換
 ラチの交換は1998年以来で22年ぶり。スタンド前からコース1周分。競走馬が接触したり、経年劣化などによる汚れが目立つ内ラチ、外ラチに加え、スタート地点(1400、1600メートル)となるポケットまで。やや細めで真っ白の柵に全て交換する。内ラチ沿いの柵に続いて、7月16日から外ラチ沿いも交換していく。
 
 ③向正面にフェンス設置
 堤防との境目に高さ1メートル80センチのフェンスを、第3コーナー奥の1600メートルスタート地点から第2コーナー辺りまで新設する。コース内からの放馬を防止するとともに、外からの動物などの侵入も防ぐ。周辺ではネコ、タヌキ、キツネ、ハクビシンなども出没。コース内に入り込んで、疾走する馬にはねられて亡くなることもあるそうだ。1600、1800メートルのスタート地点では「やじ防止」にもなるという。

 木曽川沿いにあり、のどかな景観で人気が高い笠松競馬場。改修で向正面にもフェンスが設置されるが、ウオーキングなどで訪れる人は、堤防上から今まで通りコース内を眺めることはできそうだ。
 
 今秋(9月10日)には笠松競馬場で第5回西日本ダービーも開かれる。1900メートル戦で競う生え抜き馬限定レース。西日本地区交流で6競馬場から原則2頭ずつの12頭立てで実施される。走路改修により、「きれいな馬場で走ってもらいたい」と改修を急ピッチで進めていく。

 今年はレース中の骨折などで命を落とした競走馬もおり、脚元により優しく、滑らかで安全な走路になることを願いたい。

 笠松競馬の次回開催は8月10日から。13日には地方全国交流の「くろゆり賞」、27日には3歳戦最後の1冠「岐阜金賞」が行われる。馬場改修でしばらくレースが実施されないこともあり、「オグリの里」は今回でいったん休止します。