オグリの里
西日本ダービー、10日に笠松で開催

2020年09月06日 18:13

10日に笠松競馬場で開催される「第5回西日本ダービー」をアピールするポスター

 笠松競馬場でも17年ぶりに「ダービー」という名が付いたレースが開催される。10日の「第5回西日本ダービー」で、ライブ観戦を楽しみにしていたファンも多かったが、入場再開は間に合わなかった。今年の目玉レースだっただけに残念だが、画面越しに熱い声援を送っていただきたい。

 西日本地区6県交流の3歳・1900メートル戦で、生え抜き馬限定レース。地元デビュー馬の育成、スターホースへの成長を願って2016年に創設された。騎手や調教師、厩務員にとっては、愛情をたっぷりと注ぎ込んで育て上げてきた、たたき上げの馬だけに思い入れが強い。

 第1回・園田から佐賀、金沢、高知に続いて笠松で開催(来年は名古屋)。6場から原則2頭ずつ(1頭の場合も)参戦する。昨年、笠松競馬場のゲートを12頭立てにした意味合いがここにあった。今年の他地区選定馬は6頭。高知、佐賀から2頭ずつ、金沢、兵庫から1頭ずつ。笠松の選定馬は4頭、名古屋は2頭となった。

 金沢からはフジヤマブシ(黒木豊厩舎)が参戦。MRO金賞では平瀬城久騎手が騎乗し、強烈な末脚でニュータウンガールを差し切った。兵庫のイチライジン(田中範雄厩舎)は兵庫ダービー3着馬(吉村智洋騎手)。笠松巧者の高知勢。ガンバルン(国沢輝幸厩舎)は2歳時、佐原秀泰騎手の手綱で黒潮ジュニアチャンピオンシップ勝ち。シェナオセロ(田中守厩舎)は同レース2着。佐賀からは九州ダービー栄城賞2、3着のエアーポケット(真島元徳厩舎)、ミスカゴシマ(平山宏秀厩舎)が挑み、人気を集めそうだ。

クイーンカップ2着のチェリーヒック(筒井勇介騎手)。西日本ダービーに出走する

 笠松勢は、岐阜金賞1~3着のダルマワンサ、ニュータウンガール、スカイガーデンがいずれも門別出身で笠松生え抜きでないため、出走できない。最近では、2歳戦が早くから行われる門別でデビューし、笠松に転入するケースも多い。3冠レースで重賞Vを飾った実力馬が参戦できないのは残念だ。

 筒井勇介騎手の騎乗で、前走クイーンカップ2着のチェリーヒック(田口輝彦厩舎)が地元馬では実績一番。ガンバギフ(井上孝彦厩舎)は、水野翔騎手騎乗で一変した動きを見せ、めいほう高原特別で差し切りVを飾った勢いがある。ラブミーチャン記念3着のワイエスキャンサー(伊藤強一厩舎)、ここ2戦は吉井友彦騎手が騎乗。ツェレトナー(川嶋弘吉厩舎)は向山牧騎手が主戦を務めている。

 名古屋勢では、8月の湾岸スターカップを戸部尚実騎手で制覇し、重賞2勝のインザフューチャー(川西毅厩舎)が好調。ライデンリーダー記念2着、東海クイーンカップVのビックバレリーナ(今津博之厩舎)は大畑雅章騎手の手綱で先行力が武器。(騎手未定、出走投票日は7日)

 過去4回の戦いでは園田、高知勢が2勝ずつ。上位人気馬での決着が目立つ。昨年はフォアフロント(佐藤友則騎手)が笠松勢過去最高の2着(優勝は高知・アルネゴー)となり、笠松3歳最優秀馬に選出された。名古屋勢では第3回でウォーターループ(友森翔太郎騎手)の2着がある。今年の遠征馬は強力で、笠松勢は厳しい戦いが予想される。それでも地元厩舎スタッフにも意地があり、今年の東海3冠を独占した勢いと、暑い中でのコースの特性を知り尽くしたジョッキーの手腕に期待したい。馬名からは、ガンバギフとガンバルンの「ガンバ対決」にも注目だ。

 笠松競馬で「ダービー」と名が付いたレースは、03年まで「アラブダービー」(SPⅡ)が行われていた。全国的な「地方競馬場廃止」の波が笠松にも押し寄せ、アラブのレースは役目を終えた。長年活躍し、ファンに愛されてきたアラブの馬たちは姿を消したが、笠松勢は全国レベルのレースでも強かった。アラブダービーの歴代勝ち馬にはキンカイチフジ(1984年・全日本アラブ大賞典V)、スズノキャスター(牝馬日本記録の重賞14勝)などの名馬がいた。最後に勝ったのはヤマノユーノス(東川公則騎手)だった。

 東海ダービーは名古屋競馬場でずっと開催されているが、そのレース名からして、「笠松競馬場で開かれてもいいのでは」と感じているファンが多いのでは。
「名古屋優駿」と呼ばれていた時代もあり、歴史的には難しいだろうが、今年のJRAでは中京記念が阪神競馬場で行われ、18番人気馬が勝ち、波乱を呼んだ。
名古屋競馬場は弥富に移転するし、東海公営としての「変革」も必要。4年に1度ぐらい笠松で東海ダービーを開催したらどうだろう。その年の岐阜金賞は名古屋開催でもいいので...。

自厩舎のカンノンリオで勝利を飾り、笑顔の深沢杏花騎手。佐賀でのヤングジョッキーズシリーズに挑戦する(笠松競馬提供)

 ■深沢杏花騎手がYJS初挑戦(8日・佐賀)、関本玲花騎手は東日本1位

 今年4月、笠松競馬場でデビューした深沢杏花騎手(18)=兵庫県出身=は8日、佐賀競馬場に遠征。ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)の西日本地区トライアルラウンドに初挑戦する。無観客開催となるが、2レースに騎乗して上位進出を目指す。

 深沢騎手は笠松で7勝、名古屋で2勝。デビュー以来、無観客レースが続いていたが、2日の名古屋戦では、パドックを含めて初めてファンの前で騎乗することができた。毎朝、20頭以上の攻め馬に励み、先輩のアドバイスを受けながら、騎乗技術は徐々に向上。「いろいろな競馬場で乗りたいです」と全国での活躍も夢見ている。佐賀には同期の名古屋・細川智史騎手(21)も参戦。東海地区代表として、九州でも好騎乗を見せてほしい。

 九州といえば、JRAでは小倉が開催中で、九州産馬のヨカヨカ(牝2歳、谷潔厩舎)がデビューから3連勝。フェニックス賞を勝ち、熊本県産馬の平地オープン勝利は初めてという。豪雨被災地を勇気づける「九州産の星」として人気急上昇中で、陣営は「来年の桜花賞に出してあげたい」と意欲。クラシック戦線でも大きな注目を集める一頭になりそうだ。

 地方、中央の若手騎手が腕を競うYJSでは、8月の園田ラウンドに参戦した笠松の東川慎騎手(19)が3着、12着でトータル16ポイント。西日本・地方騎手の総合3位につけている。11月4日には笠松ラウンドが開催され、トライアルラウンドの最終戦となる。深沢騎手と東川騎手がともに2戦ずつ騎乗予定。先輩の渡辺竜也騎手は2年連続でファイナルラウンドに進み、総合8、9位という結果を残している。深沢騎手、東川騎手には思い切った騎乗で、総合ポイント上位4人に与えられるファイナル進出(12月24日・園田、26日・阪神)を果たしてほしい。

 東日本地区では、笠松での期間限定騎乗で人気を集めた岩手・関本玲花騎手(20)が活躍。盛岡で6着、4着、門別では3着、5着。勝利はなかったが堅実な騎乗で総合45ポイントを挙げ、堂々のトップに立っている。浦和ラウンド(10月21日)にも騎乗予定で、ファイナル進出へ好位置につけている。

 西日本ダービーシリーズの前半3日間。笠松競馬の馬券売り上げはいずれも5億円超え。電話・インターネット投票が好調だった。名古屋競馬場ではファンの入場が再開され、場内に活気が戻ってきた。1日に「第2波非常事態宣言」が解除された岐阜県。笠松競馬場では22日(祝日)から観客を迎えてのレース再開の見込みで、24日には秋風ジュニアも行われる。オグリキャップ、ライデンリーダーら歴代名馬が勝った出世レースで、2歳馬によるフレッシュな一戦となる。こちらは競馬場に足を運んで、ライブ観戦を存分に楽しんでいただきたい。