岐阜酒好物語
樽香まろやか、重量級
北海道・池田町「十勝ブランデー25年」

2020年03月02日 11:16

十勝ブランデー25年

十勝ブランデー25年

 今回は、私が開業する前のお店から数えて十年来のお付き合いがあるお客さまが持ち込んできた、超希少な国産ブランデーのお話です。

 国内で、メーカー企業ではなく、自治体でお酒を造っている地域がございます。北海道中川郡池田町の「池田町ブドウ・ブドウ研究所」です。

 1963年に、日本国内初となる、自治体として果実酒類試験製造免許を取得。ワイナリーを1964年に設立しました。建物はヨーロッパのお城を彷彿(ほうふつ)させる外観で、ワイン城ともいわれています。

 池田町で育つ「ヤマブドウ」が良質なワインの品種「アムレンシス亜系」ということから、ワインの製造に着手したそうです。そのきっかけは自然災害により基盤産業の農業に被害が出て、安定した産業基盤の必要性からという話です。

 この池田町ワイナリーで造るブランデーですが、一度は製造を休止しておりましたが、23年の時を経て2016年に再開いたしました。ブランデー製造に関しては、フランスのコニャック地方で造り方を学んだそうです。

 池田町は、コニャック地方と気候が似ており、ブランデー製造に適した環境です。

 お客さまが持ち込んだ一本は、「十勝ブランデー25年」というボトルで、再開する前に造られた原酒が使用されたブランデーです。

 味見をさせていただきましたが、まろやかな樽香(たるこう)と香ばしくこくのあるカカオの香り、ブドウの凝縮された匂いを感じ、口に含むと甘さと香りの余韻が長く続く、重量級の一杯でした。

 近年、ブランデーはあまり好まれる傾向にありませんが、たまには趣向を変えて飲んでみてはいかがでしょう。


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