2019ぎふ参院選
参院の矜持 県選出元議員に聞く(下)
3期18年、議長も務めた平田健二さん(75)

2019年07月04日 00:00

「参院議員は腰を据え、長期的な視点で政策を考えるべきだ」と語る平田健二さん=岐阜新聞本社

「参院議員は腰を据え、長期的な視点で政策を考えるべきだ」と語る平田健二さん=岐阜新聞本社

◆長期的視点で政策議論を

 ―1995年の参院選で初当選し、3期18年務めた。県選出議員として初めて議長に選ばれている。

 「旧民主党が政権を担っていた2011年11月に参院議長に就任した。政権が再び自公に戻ろうとしている端境期。閣僚を経験しておらず、議長に選ばれるとは思いもよらなかった。就任当時、参院は野党、衆院は与党が多数を占めるねじれの状態だった」

 ―参院は衆院の議決を追認する「カーボンコピー」とやゆされることがある。本来は「良識の府」と言われるはずだが。

 「参院も衆院のように政党化し、議員は党で決まったことに反対できなくなった。参院は、衆院が審議して送付した法案でおかしな点があれば修正すべき役割があるのに、素通りさせてしまう。これでは国民から参院の不要論が出てしまう。初当選した頃から参院の制度改革に力を入れ、そうならないように18年間努力してきた」

 ―参院が存在感を示すために必要なことは。

 「同じ法案を議論することを変えてもいいのかもしれない。例えば、法案によって仕分けることも一つの手。審議の在り方の見直しは必要だ」

 ―13年7月に政界を引退して6年が過ぎる。参院に求めたいことは。

 「10年の参院選はいわゆる『1票の格差』で、高等裁判所、高裁支部から違憲や違憲状態の判決が相次ぎ、最高裁は違憲状態との判断を示した。格差を解消するために真剣に議論した時代だ。先輩たちがしっかりと議論した参院の在り方を今の与野党は十分に議論しているのか。格差の是正という名目で19年の参院選では定数を増やし、比例代表で(各党が優先して当選させたい候補を決める)『特定枠』の制度を導入した。定数増に伴って経費を削減するために参院議員が歳費を自主返納できるようにしたが、国民からすればばかばかしい話だ。小手先の議論なら国民に何をやっているのかと言われてしまう。改革に向けて真剣に議論すべきではないか」

 ―参院選後に「1票の格差」を巡る違憲訴訟は起こされそうか。

 「起こされるだろう。個人的には(参院の選挙制度は)どちらかというとブロック制がよい。思い切ったことをやらないといけない」

 ―県選出の参院議員に期待したいことは。

 「衆院の県内小選挙区は五つある。各議員が地元で活動し、住民の声を国会に伝えている。参院は解散はなく、議員の任期は6年あるのだから、長期的な視点に立ち、国全体の政策を考えるべきだ。私が初当選した頃は国会や省庁の移転問題を盛んに議論した。腰を据えられるのだから、しっかりと取り組んでほしい」

 平田健二(ひらた・けんじ) 1944年生まれ。89年にゼンセン同盟県支部長に就任し、連合岐阜会長代行を務めた。95年の参院選に立候補し初当選。3期18年間務め、旧民主党で参院の国会対策委員長や幹事長などを歴任。2011~13年に参院議長を担った。13年の参院選に出馬せず引退した。