2019ぎふ参院選
参院の矜持 県選出元議員に聞く(上)
衆院5期、参院4期務めた藤井孝男さん(76)

2019年07月04日 00:00

「参院議員は自分から出向いて行って主義、主張をもっと知ってもらうことが大切」と語る藤井孝男さん=東京・銀座

「参院議員は自分から出向いて行って主義、主張をもっと知ってもらうことが大切」と語る藤井孝男さん=東京・銀座

◆党派を超えた責任発揮を

―参院の存在感を発揮できたエピソードは。

  「1992年6月、自衛隊の国連平和維持活動(PKO)協力法案をめぐって参院で修正案を可決した。社会党や共産党などが参院本会議で関連採決に徹底した牛歩戦術を展開し、4泊5日の徹夜国会だった。公明党、民社党の協力を得て可決し、衆院へ回付、成立した。あれから25年以上がたつが、カンボジアを皮切りにモザンビーク、ゴラン高原、東ティモールなどで自衛隊が国際的に果たしてきた役割は大きい。あの時、参院で自民党が過半数割れの状態だったが、何とかしなければという思いで一体感を持って成立させたことが今につながっている」

―衆院との関係でもどかしく感じたことは。

 「特に予算案の審議においては、衆院の可決を受け取ってから30日以内に参院で議決しないと自然成立する。憲法60条で定められているから仕方がない。もどかしいというか、これが差だと感じた」

―現在の参院をどう見ているか。

 「参院議員の任期は6年ある。外交や防衛、エネルギーなど中長期的な視野が必要な政策に対し、法律案を提案して衆院に問い掛け、党派を超えた立法府としての責任を発揮してもらいたい。7月4日公示の参院選が行われるが、鳥取県と島根県の合区、徳島県と高知県の合区はぜひ元に戻すべき。各都道府県で最低1人の参院議員を選出するようにすることだ」

―参院議員の存在意義は。

 「参院議員はあまり知られていない。だから、街頭演説をやるなど、自分から出向いていってもっと主義、主張を知ってもらうことが大事」

―県選出の参院議員の役割は。

 「小さくてもいいから独自の後援会をつくった方がいい。そして各市町村に出向いて地方議員や各団体と、今どんな問題を抱えているか議論すべきだ。6年間の任期があればできるはず。いつ解散があるか分からない衆院とは違い、じっくり取り組むことができる。外交、福祉、教育などそれぞれのスペシャリストになることだ」

―今回の参院選で注目していることは。

 「いわゆる『老後2千万円問題』がどう影響するか。もう一つは、憲法改正を分かりやすく堂々と議論してほしい。例えば、憲法の前文では『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』と述べている。果たして中国、北朝鮮が平和を愛する諸国民なのか。香港での大規模なデモ騒動、北朝鮮のミサイル発射など、一党独裁の政治体制はとても民主的な平和を愛する国家とは思えない。自分たちの安全と生存は、自分たち国民の意志で決めるべき。前文のように分かりやすいところから議論すべきだ」

 藤井孝男(ふじい・たかお) 1943年生まれ。成城大経済学部卒。81年参院岐阜補選で初当選。通算で衆院議員を5期、参院議員を4期務めた。運輸相をはじめ、衆院議院運営委員長、予算委員長など要職を歴任。自民党県連会長も務めた。17年10月の衆院選を機に政界を引退した。