2019ぎふ参院選
「改憲」熱帯びず 「国会で議論を」「もっと争点に」

2019年07月15日 10:06

憲法問題に詳しい弁士を迎え、個人演説会に臨む候補者(手前)=14日午後、各務原市内

憲法問題に詳しい弁士を迎え、個人演説会に臨む候補者(手前)=14日午後、各務原市内

 参院選(21日投開票)で争点の一つとされる「憲法改正」。自民党など改憲勢力が3分の2以上の議席を維持するかが注目される中、岐阜選挙区(改選数1)でも与野党候補がそれぞれ憲法の在り方に言及している。ただ、そもそも国会での議論が進んでいないため、論戦は盛り上がりを欠くのが実態だ。

 「憲法の議論を前に進める候補を選ぶのか、議論さえ反対する候補を選ぶのかという選挙だ」。選挙戦最後の日曜日となった14日、自民党の憲法改正推進本部長を務める下村博文衆院議員が各務原市内で自民現職大野泰正候補(60)=公明党推薦=の応援演説に立ち、来場者に問い掛けた。

 憲法9条への自衛隊明記を公約に掲げる自民。大野候補は「自衛隊は豚(とん)コレラの対応や去年の(西日本)豪雨災害でも身を粉にして手伝ってくれた」と重要性を説いた。

 一方、別会場での演説では、憲法論議にほとんど触れなかった。話を聞いた会社員纐纈龍男さん(45)=同市蘇原沢上町=は「国会で議論が進んでいないから仕方ない。自公が議論を進めてほしい」と期待する。

 対する立憲民主党新人の梅村慎一候補(48)=国民民主党支持=は14日、下呂市民会館で開いた個人演説会で「政権は憲法を壊そうとしている」と述べ、安倍晋三首相が2020年の施行に意欲を示す憲法改正に反対した。

 梅村候補は5月、野党統一候補に決まり、野党4党の県組織、市民団体で構成する「ピースハートぎふ」と5項目の基本政策に合意した。その一つが「安倍政権下での憲法改悪に反対」。主に個人演説会で「総理が示す憲法改正は議論に値しない」と批判している。

 下呂市民会館の演説会に訪れたパート斎藤好晴さん(80)=同市森=は兄が戦死。「憲法を無理に変える必要はない。争点としてもっと議論すべきだ」と話した。

 岐阜選挙区では諸派新人の坂本雅彦候補(47)は自衛隊の位置付けの憲法への明記を主張している。

◆憲法改正に関する候補者の考え(本紙政策アンケートより)
大野泰正候補
 本来、憲法改正の是非についての判断は国民投票で示される事柄だ。今大切なことは国民の代表である国会議員がそれぞれの立場で、国民の理解を得ながら、時代に即した憲法の在り方を丁寧に議論し、その過程や内容をしっかりと国民に示すことだと考える。現在、一部野党の反対で、衆参の憲法審査会での議論が停滞していることを大変残念に思う。
梅村慎一候補
 憲法改正は必要ではない。安倍晋三総理が9条に自衛隊を明記することを主張する根拠は、自衛隊の違憲論争に終止符を打つことだ。しかし、学者が自由に憲法解釈を闘わせるのは「学問の自由」で保障され、問題があるわけではない。総理自身が自衛隊の合憲性に重大な疑念を持っていることを前提としない限り、成立しない論理と言わざるを得ない。
坂本雅彦候補
 自衛隊が違憲の疑義があるとされないように憲法上に位置付けを明らかにすべきだ。また、地球規模の環境破壊が進む中、環境保全は世界的な課題で、環境規定は明記すべきだ。