2019ぎふ参院選
投票先、家族と話す? 県内有権者に聞く

2019年07月21日 08:00

家族で期日前投票所を訪れた有権者=羽島市内

家族で期日前投票所を訪れた有権者=羽島市内

◆「参考にする」「政治の話は避ける」

 きょう21日に投開票される参院選。本紙記者が、岐阜県内の有権者に家族と投票先などについて話をするのか聞いてみた。「ざっくばらんに話す」という人がいる一方、「個人の選択だから話さない」「政治の話は避ける」などの声も目立った。有識者は「抱える問題を社会との関わりで考えるため、家族を含む多様な場で意見を交わし投票に臨んでは」と提案する。

 「選挙前に家族で話し合い、できるだけ同じ投票行動を取る」と話すのは、母と夫、子ども2人と暮らす保育士の女性(44)。保育士不足の問題に注目するが「家族で重視する政策が違い、意見を聞くことは投票の参考になる」と意義を語る。

 信用組合職員の男性(30)は妻と相談して同じ候補者を選んだ。「春に長女が生まれ、共に子育て支援や教育施策に関心がある。私が新聞やスマホで主張を調べて投票先を決め、妻に理由を説明した」という。岐阜市の40代夫婦は候補者の政策を比べてそれぞれ投票先を決めた。「単純に興味があるので投票先は聞く。家庭内だから選挙や政治のことをざっくばらんに話せる」と感じている。

 一方で、家族でも選挙や政治の話題は敬遠されがちだ。60代の娘夫婦と同居する岐阜市の主婦(90)は「生活面では互いを理解しているけど、政治の話からは距離を置いた方がいいと思う」と明かす。電気工事業の男性(73)は近所に住む長女や長男と選挙のことを話したいが「今苦しいのは親世代のせいと言われたらと思うと、言い出せない」と世代間のギャップを口にした。

 岐阜市の主婦(72)は「夫とはニュースを見て、意見を言う形で選挙の話をする。投票先は分かっているつもり」。パート女性(44)は夫と選挙の話はしないが「10歳の長男に政党名を挙げて『どこに投票するの?』と聞かれ、ドキッとした。必ず投票に行こうと思う」と子どもから刺激を受けたようだ。

 短大生(20)は「家族と選挙や政策について話すことは全くない」。学業やアルバイトで忙しく家族で食卓を囲むのは週1度ほど。消費税増税や年金のニュースを見て将来に不安を抱くが「世の中のことを考える時間がない」と漏らす。

 政治教育を研究する田中伸岐阜大准教授は家族で選挙や政治について語ることを歓迎しつつ「本来は社会全体で考えるべき問題を自己責任として捉え、政治を自ら遠ざける人が増えている」と語られない背景を分析。「家族の枠にとらわれずインターネット上のコミュニティーも含め、タブー視せずに議論できる場をつくってほしい」と勧める。