ふるさとへの便り

飛騨の知名度アップ

2018年07月12日 09:56

6月に飛騨牛フェアを開催した日本食レストラン「円(YEN)」=フランス・パリ

日本食レストラン「円(YEN)」で提供されている飛騨牛メニュー「Hôbayaki(朴葉焼き)」

 今年は、日仏交流160周年となることを記念し、両政府の合意の下、パリを中心に大規模な日本文化イベントの開催が予定されています。伝統的な日本文化だけでなく、今日の最先端のメディア・アートやポップカルチャー、食や地方の祭事など、広く日本人の日常文化にまで焦点を当て、幅広く日本を紹介するものとなっています。私が駐在しているパリでは、日本食レストランや日本の雑貨店の流行など、日本への関心の高さを日常的に感じていますが、とりわけ今年は、このイベントに乗じた、活発な日本関連の露出が期待されます。

 このような機運の高まりの中、グルメなフランス人が集うパリではラーメンやそばなど日本食の専門店や、街角のスーパーですしを購入するフランス人の姿を見掛け、近年の日本食の広がりには目を見張るものがあります。日本貿易振興機構(ジェトロ)の最新の調査によると、フランスの日本料理店は2925軒、そのうちの約1割が日本人経営の「本物」の日本食を提供している店だといわれています。1990年代までは、フランスを訪れる日本人観光客や日本駐在員をターゲットにした日本食レストランが多かったようですが、2010年代に、富裕層の間で本格的な日本食が注目されるようになり、「本物」の日本料理を、フランス人のスタイルに合ったサービスで提供する店が人気を博していきました。中には、ミシュランの星を獲得する日本食レストランも出現し、今後は「一流の日本食レストラン」の存在にも目が離せません。

 また、2015年に飛騨牛が欧州へ輸出されるようになり、「本物」を求めるパリの高級レストランでも徐々に取り扱われるようになってきました。そして、今年6月に、フランス人に大人気の一流日本食レストラン「円(YEN)」が、飛騨牛の取り扱いを開始したのに合わせて、「飛騨牛フェア」を開催しました。期間中は飛騨高山の観光ポスターやマスコットを掲示して店内を盛り上げ、飛騨牛メニューを注文された方にさるぼぼと観光パンフレットをプレゼントし、飛騨牛と飛騨高山をより気に入っていただくきっかけをつくりました。

 飛騨牛を味わったフランス人のお客さまの反応は上々で、特に「Hôbayaki(朴葉(ほおば)焼き)」は、実際に飛騨コンロと朴葉を使用して提供され、本場で味わっているような雰囲気が大変喜ばれています。同レストランのロンドン店ではパリ店に先駆けて、飛騨牛がグランドメニュー入りしており、「飛騨牛にぎり」も人気を博しているとのことです。このような一流日本食レストランでの取り扱いにより、飛騨牛や飛騨高山の知名度向上が期待されます。

 約160年前に西洋が日本文化に出合い、フランスを中心に興隆した「ジャポニスム」は、その歴史的な流れが途絶えることなく現在まで続き、今日ではその多様化や細分化が進行していると感じます。とりわけ岐阜県内には、伝統工芸品をはじめ祭事などの日常の文化や、自然が生んだ独特の文化など、多様な魅力が数多く存在します。その地域の魅力を、あらゆる分野から伝え、またそれがどのように外国の方に捉えられているかを地域に還元できるよう、今後も引き続き取り組んでいきたいと思います。

20180712100154-15360030.jpg浮田さくら(うきた・さくら)さん 高山市役所から、2017年1月より日本政府観光局(JNTO)本部、同年3月よりパリ事務所に派遣。フランス市場における訪日観光プロモーションを担当。高山市出身。

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