ふるさとへの便り

世界遺産の登録へ調整

2020年09月25日 09:49

昨年の世界遺産委員会で、百舌鳥(もず)・古市古墳群の登録が審議される様子=アゼルバイジャン

昨年の世界遺産委員会で、百舌鳥(もず)・古市古墳群の登録が審議される様子=アゼルバイジャン

 「Bonjour!! Ça va?(=こんにちは、元気ですか?)」。私は昨年5月からパリにある国連教育科学文化機関(ユネスコ)日本政府代表部に勤務しています。ユネスコと聞くと世界遺産を連想する方も多いと思いますが、「日本政府代表部って何?」と思う方もいるのではないでしょうか。ユネスコ日本政府代表部とはユネスコを専門にした在外公館(大使館や総領事館などの総称)であり、特命全権大使を筆頭にさまざまな活動を展開しています。

 私は多岐にわたるユネスコの活動の中でも、世界遺産に関する日本政府とユネスコとの連絡調整を担当しています。世界遺産といえば「白川郷」をはじめ思い入れのある遺産もあると思いますが、世界遺産がどれだけあるかご存じですか。

 正解は9月現在で日本に23件、世界には1121件もの登録があります。世界遺産は、厳しい書類審査と現地調査を行った後、毎年行われる世界遺産委員会で後世にわたって伝えるべき「顕著な普遍的価値」を持つかが審議され、価値を有すると認められたもののみ、世界遺産一覧表へ登録されます。また、登録後も厳しいルールに基づいて管理されます。そういった登録や管理方法もユネスコと世界各国が意見を出し合い、ルールを作って運用するので、私はユネスコや各国と連携を取り、日本の考えを反映できるよう信頼関係づくりに日々励んでいます。

 今年の委員会では、日本は世界自然遺産候補の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の審議を受ける予定でしたが、残念ながら委員会は新型コロナウイルス感染拡大に伴い延期となっています。現在できることは限られていますが日本の新規候補が人類共通の宝物として登録されるよう、準備を進めています。

 佐藤貴宏 4月から外務省に出向。ユネスコ日本政府代表部二等書記官。世界遺産のほか広報文化事業を担当。加茂郡川辺町出身。

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