ふるさとへの便り
家族のような一体感
バヌアツ

2017年09月15日 11:25

クリスマス前夜祭の様子=バヌアツ

 10月で2年間のボランティア活動を終えます。今回は、私が出会ったバヌアツの人々のことをお伝えします。バヌアツの人々は大人も子どももおおらかで、ありのままを受け入れる懐の深さと優しさがあります。

 毎年12月クリスマスを祝って、人々は町の中心にある大きな公園に集まり、草で編んだマットに座って夕食を食べながらクリスマスキャロルや演奏を楽しみます。

 私も仲間と一緒に出掛け、たくさんの人に圧倒されていると「一緒に座りなさい、ご飯も食べなさい」と見知らぬおばさんから声を掛けられました。その大家族に交じってお手製のラップラップという郷土料理をいただきました。美しい歌声とキャンドルの光、素朴な料理、笑顔に囲まれて今まで経験をしたことのない素晴らしいクリスマスになりました。キャンドルの光は暗闇の中を順番に広がっていき公園にあふれます。まるでそこにいるみんなと家族になったような温かさでした。

 私の教えている児童は勉強に集中して取り組むことが難しい子どもたちです。そのため、カードを使ったり、ゲームを取り入れたりして遊びを入れながら学習をしています。ゲームは、日本のすごろくや七並べのような簡単なものですが、子どもたちは真剣で勝った子は踊りだして大騒ぎになります。問題が分かってできるようになると抱きついて喜びを表現します。私も飛び上がるくらいうれしくなります。

 バヌアツの人は、どこでもてくてく歩きます。出会うとにっこりと笑顔であいさつをします。そして「いい日を過ごしてね」と言います。小さな一言ですが、心にほっと灯がともります。人々は、みんなが学校を卒業しているわけではありません。教育を受けたことがない人もいます。でも、親や年長者から代々部族に伝えられている生きる知恵は体に染み込んでいます。厳しい自然と協調しながら、周りの人々との絆を大事にして生きる強さなどは、私たちが学ぶことも多いと感じています。

20180307112653-c3b88682.jpg 【小川まゆみ(おがわ・まゆみ)さん】 小学校教諭を経て、2015年10月よりシニア海外ボランティアとしてバヌアツへ派遣。特別支援教育を指導。多治見市出身。62歳。


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