ふるさとへの便り
日本の遊びを伝える
トンガ

2018年02月01日 11:41

製作遊びで作ったチョウチョ=トンガ

 南太平洋に浮かぶ小さな国「トンガ」。国全体の面積は私の地元である飛騨市に満たないくらいの大きさ。約170からなる島々に、約10万人の人々が暮らしている。ぽかぽかとした暖かい気候と人々の穏やかな性格から時間はゆっくりと流れ、のんびりと過ごすのがトンガのスタイルだ。

 「サイペ!」。これは日本語の「大丈夫」という意味で、あいさつ代わりに使うこともあれば、物事に対して問題がないことを示すときに使う。使い方はさまざまで、トンガでは一番耳にする言葉。雨が降っていても洗濯物は干しっぱなし、洋服が裏でも気にしない、トンガ人に言わせてみれば「サイペ!」。日本とは異なりここにはルールなんて多くない。笑って楽観的に過ごす陽気な人々が暮らしている。

 幼稚園に行くと目をつぶっている子どもたち。キリスト教のトンガでは何もかもお祈りから始まり、お祈りで終わる。全てが初めての経験の私にとって毎日が学ぶ日々。しかし、遊びの時間になれば今度は私が子どもや現地の先生に教える番。この日私が教えたのは日本の伝承遊び「大根抜きゲーム」。大根をトンガの主食であるイモに置き換え、トンガ版にアレンジして、親しみを持ってもらえるように一工夫。トンガ語がまだ思うように話せず、先生たちに言語のフォローをしてもらいながら行った。内容を理解すると、子どもはもちろん、見ている先生もゲラゲラと笑って楽しんでくれて一安心。互いに学び合いながら助け合う。

 「きーらきーらひーかる」。日本語できらきら星を歌う一つの幼稚園。以前のボランティアが教えた歌が今も現地の教員によって教え続けられている。新年度が始まったばかりのトンガ。昨年覚えた「大きな栗の木の下で」のトンガ語版を子どもたちは覚えているだろうか。幼児教育はあまり重要視されておらず、就学前に1年間だけ通う子どもたちが多く、もちろん金銭的に通えない子もいる。少しでも遊びから学ぶことの大切さを伝えることで幼児教育の向上につなげていきたいものだ。

20180306144214-9784e913.jpg 【小谷菜摘(こだに・なつみ)さん】 福祉事務所、幼稚園勤務を得て、2016年10月から青年海外協力隊としてトンガへ派遣。教会系教育事務所にて幼稚園巡回や教員向けの研修会を行う。飛騨市出身。29歳。


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