ふるさとへの便り
小中学校で環境教育
スリランカ

2018年05月10日 10:00

環境教育で生徒に「私たちのごみが分解されるまでに何年かかると思う?」と質問している様子=スリランカ・バッティカロア市

 「ヴァナッカム!(=タミル語で、こんにちは)」。初めまして。私は、青年海外協力隊としてスリランカで活動しています。スリランカはインドの南西に位置し、面積は北海道の約8割の小さな島国です。日本との間には、歴史的に深いつながりがあります。

 話は1951年のサンフランシスコ講和会議にさかのぼります。敗戦後、日本はロシア、アメリカ、イギリス、中国の四つの国の支配下に置かれる計画がありました。そんな中、当時44歳の若き政治家で、後にスリランカ初代大統領となったJ・R・ジャヤワルダナ氏が、釈迦(しゃか)の「憎悪は憎悪によってではなく、慈愛によってのみ止(や)む」を引用して、日本の真の自由と独立への支持を訴えました。15分にわたる演説の後、大きな拍手が湧き起こり、この演説によって日本は戦後の分断を免れました。恥ずかしながら、私は、スリランカに派遣が決まってからこの事実を知りましたが、戦後の日本を救ってくれたスリランカに派遣され、活動できることを誇りに思っています。

 スリランカは多民族国家です。国民の7割はシンハラ人、2割はタミル人、その他が1割で、シンハラ人はシンハラ語を、タミル人はタミル語を話します。日本と比較すると小さな島国ですが、地域によって話す言語が異なります。宗教は国民の7割は仏教。次に多いのがヒンズー教、イスラム教、キリスト教と続きます。私が派遣されている東部州バッティカロア県は、タミル人やムスリム(イスラム教徒)が多く住んでおり、私はタミル語を日常会話で使用しています。

 私は、バッティカロア市役所に環境教育の初代隊員として派遣されました。市の教育委員長と連絡を取り、校長会議で活動紹介をさせていただき、現在はバッティカロア市内の小中学校約40校を訪問し、廃棄物の3R(リデュース=発生抑制、リユース=再使用、リサイクル=再生利用・再資源化)の啓発活動を行っています。ごみの処理を適切にしないことで起こり得る環境問題や健康被害問題などを扱ったワークショップを児童生徒の対象年齢に応じて行っています。

20180510100629-5e4d7c8e.jpg和田さとみ(わだ・さとみ)さん 県内の中学・高校教諭を経て、2017年7月からスリランカ東部州バッティカロア市役所に配属。生徒や市民に対する3Rの啓発活動に従事。岐阜市出身。


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