ふるさとへの便り
エイズ予防呼び掛け
マラウイ

2018年06月07日 09:57

小学校でのエイズ予防啓発授業の様子=マラウイ

 「Muli uli?(マラウイ北部のトゥンブカ語で、お元気ですか?)」。アフリカ南東部に位置するマラウイは、湖が国土の4分の1を占める南北に細長い国です。「The Warm Heart of Africa(アフリカの温かい心)」と呼ばれるように穏和で人懐こい国民性が印象的で、村の中を歩けば知らない人でもいつも陽気にあいさつを交わしてくれます。また、地域の中での人のつながりがとても強く、コミュニティーは人々の相互扶助によって支えられています。

 私が暮らしているのはマラウイ北部のチカンガワという地域で、標高1700メートルの高地に位置しています。一帯は岩山や針葉樹の広大な国有林に覆われ、周辺には森林局や木材会社で働く人たちが多く暮らしています。

 ここへ赴任して最初の大きな仕事は井戸の建設でした。特に乾季には生活用水の確保が困難な地域で、不定期に来る給水車や水量の少ない谷川の水に頼った生活をしており、安定した水の確保のために住民たちが協力して井戸を掘ることになったのです。現在は新しい井戸の完成により、近隣の住民をはじめ、小中学校と妊産婦病棟に安定して水が供給されています。

 今の所属先はヘルスセンターと呼ばれる村の小さな診療所で、ここを活動の拠点にエイズ対策に取り組んでいます。マラウイは国民の約1割がエイズウイルス(HIV)に感染していると言われており、HIVのまん延が国全体での大きな問題になっています。そのため、HIVの予防を呼び掛けようと村を巡回して知識の普及に取り組み、小中学校で予防啓発授業を行っています。

 また、HIV陽性者がそれぞれの悩みや問題を仲間同士で分かち合い、栄養や服薬に関する情報を共有して互いに支え合うために自助グループを立ち上げました。このグループの活動として、チテンジと呼ばれる地元の布を使った手工芸品作りを提案して収入向上と生活の改善を目指しています。まだ始めたばかりの活動ですが、村の人たちとの地道な二人三脚の歩みを続けていきたいと思っています。

20180607100230-b1dba53d.jpg岩田彰亮(いわた・しょうりょう)さん 国際協力団体勤務を経て、2017年7月から青年海外協力隊としてマラウイへ派遣。エイズの予防啓発やHIV陽性者の生活向上を支援。羽島市出身。


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