ふるさとへの便り
介護分野、日本と協力
ベトナム

2018年06月28日 10:22

ノイバイ空港で看護師・介護福祉士候補者を対象に行われたオリエンテーションの様子=ベトナム・ハノイ

 5月31日深夜、日・ベトナム経済連携協定に基づくベトナム人看護師・介護福祉士候補者第5陣219人がハノイ・ノイバイ空港から日本に向けて旅立ちました。第1~5陣の累計は、既に892人に上り、同29日には候補者の壮行会が開催され、ベトナム労働・傷病兵・社会省のゾアン・マウ・ジエップ副大臣などから、これまでの努力の成果や日本での活躍を期待する内容の激励がありました。

 今年は日本とベトナムの外交関係樹立から45年。東南アジアにおける重要なパートナーとして、さまざまな分野で協力が行われています。その中でも特に注目される分野の一つに介護人材の受け入れがあります。今年5月に天皇、皇后両陛下が主催されたベトナム国家主席夫妻の歓迎晩さん会の中でも、「看護師、介護福祉士として活躍し、わが国の高齢社会を支えている人々もいます」と陛下が述べられるなど、介護分野でベトナムへの期待は非常に高まっています。

 昨今の介護人材不足を受け、日本では労働環境の改善や外国人の受け入れなど、官民挙げての取り組みがなされています。岐阜県でも深刻な問題であり、厚生労働省がまとめた昨年3月の介護関連職種の都道府県別有効求人倍率は全国平均の3.18倍に対し、岐阜県内は4.08倍と高く、東京、愛知、大阪、富山に次ぎ、全国5番目の水準にあります。

 現在のベトナムの人口構造は日本の1970年代と同様、平均年齢が30歳程度と活気に満ちあふれています。しかしながら、長期的な人口推移を見ると高齢化が速いスピードで進行しており、かつての日本を上回る速さで進むと予測されています。経済発展や産業構造の変化による労働人口の都市部への流入、家族介護を最善とする家族観など、ベトナムには70年代の日本の状況と類似する側面があり、社会・文化的に相互に分かり合うことができる日本の経験は、ベトナムが今後、高齢化対策に取り組むに当たっても、大変有益であると考えられます。

 介護人材を日本に送り出すことは、ベトナムにとっては人材育成や国内介護技術の向上につながり、両国にとって意義があります。今後も予定されるベトナム人介護士候補生の受け入れなどを通じ、日本、ベトナム両国が直面する介護分野の課題を共に解決していくことが期待されます。

20180628102713-446bf03c.jpg大橋豪(おおはし・ごう)さん 2005年十六銀行入行。岐阜、愛知両県内の営業店勤務を経て、17年12月からベトナム投資開発銀行(BIDV)へトレーニーとして派遣。外国投資部ジャパンデスク在籍。名古屋市出身。


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