ふるさとへの便り
千畝氏が縁、交流促進
リトアニア

2018年07月05日 10:01

桜満開の杉原桜公園=リトアニア・ビリニュス

 「ラバディエナ!(リトアニア語で、こんにちは)」。皆さん、リトアニアという国をご存じですか? バルト3国の一つとして記憶されているかもしれませんし、岐阜県民であれば、県出身の元外交官杉原千畝(ちうね)氏が第2次世界大戦中にユダヤ人救出のために活躍した国ということでご存じの方も多いかもしれません。

 リトアニアはバルト海に面し、ヨーロッパの北東部に位置しています。「リトアニア大公国」として一時はヨーロッパ最大の国家として君臨しますが、その後、数々の侵略と独立を繰り返す複雑な歴史をたどります。第2次大戦後、旧ソ連の支配を受けていましたが、1991年にエストニア・ラトビアと共に平和的独立を果たし、2004年にはNATO、EUに加盟し、新しいヨーロッパの一国として、今、まさに国づくりの真っ最中というところです。

 今年4月末に在リトアニア日本国大使館に広報文化担当として着任してから約2カ月が経過しました。まだ始まったばかりではありますが、湖と森の国と呼ばれ、美しい自然を有するリトアニアが、四季折々の自然あふれる日本、そして、清流とそれを育む豊かな山々を有する岐阜県と重なるとともに、その土地に暮らす人々の心もまた、日本人と相通じる部分が多くあるのではと感じています。

 現在のリトアニアは敬虔(けいけん)なカトリックの国なのですが、実は、もともとこの国で信仰されていたのは、自然信仰(多神教)であり、これは、日本と同様、太陽などを神様として信仰するものです。キリスト教が広まってからも、この自然信仰の名残は至る所にあり、今でも、地域の祭りや生活の中にその影響が見られます。

 冒頭で言及した杉原千畝氏の功績は、杉原氏が執務した旧領事館(現在の杉原記念館)があるカウナス市を中心としてよく知られ、親日感の醸成に大きく寄与しています。それ以外にも、リトアニア人にとっての日本のイメージは多々あると思いますが、この遠く離れた二つの国が、実は深いところでつながっているようにも感じており、互いのことを知れば知るほど、共感する部分を多く発見し、より強い絆が持てるのではないかと期待しています。

 こちらに赴任した直後の4月下旬には、杉原氏の功績をたたえて首都ビリニュスに造られた「杉原桜公園」の桜が満開に咲き、多くのリトアニア人が日本と同じように花見を楽しんでいました(若干違うのは、外でお酒を飲むのが法律で禁止されていること!)。杉原氏をきっかけとし、将来的に、日本とリトアニアが良いパートナーとしてより広く深くつながるために、少しでも力になるべく、これからの日々の業務に励みたいと思います。

20180705100606-1417b773.jpg森本朋花(もりもと・ともか)さん 2018年4月に赴任。在リトアニア日本国大使館2等書記官(岐阜県庁から出向)。広報文化担当(日本文化の普及・発信、地方連携、教育・文化交流事業など)。羽島市出身。

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