ふるさとへの便り
ユニークな月餅販売
中国

2018年08月30日 09:38

月餅などの購入のため人気店で列をなす人々=中国・上海市内

 月餅(げっぺい)という食べ物を皆さまはご存知ですか。日本で月餅というと、茶色で凹凸があり、中に甘い餡(あん)やナッツなどが入っているお菓子を想像する方が多いのではないでしょうか。

 中国では旧暦の8月15日(今年は新暦9月24日)は、「中秋節」という伝統的な祝日の一つとなっており、その起源は魏晋南北朝時代にまでさかのぼるとも言われています。中秋は秋の収穫期に当たり、新米が登場し、新酒が出回り始めるなど食生活が豊かになる時期で、その代表的な食べ物が月餅です。唐の時代に宮廷で供え物として食べられ始め、宋の時代に民間に伝わったとされる歴史のある食べ物です。

 そんな歴史ある月餅ですが、今では中国各地で特色のあるものが食されています。私の住んでいる上海で最も有名なのが「鮮肉月餅」です。その名の通り新鮮な肉がぎっしりと詰まっていて、ジューシーな肉汁にさくっとしたパイ生地が病みつきになります。人気店では、大勢の人々が列をなして買い求めるほどです。中国各地で毎年ユニークな月餅が開発され、最近ではザリガニ入りの「ザリガニ月餅」、故宮の「ロイヤル月餅」、ディズニーランドの「アニメ月餅」などが人気を博しています。また、多くのホテルが贈答用の月餅を販売し、スターバックスやハーゲンダッツなどの飲食企業も月餅の販売に乗り出しています。

 中国の国際化の影響からか、中秋節を祝う習慣が近年、海外に広がっています。欧米を中心とした現地の中華料理店などは中秋節を前に「中秋節イベント」などを企画・開催し、中国から取り寄せた月餅を振る舞ったり、スーパーで月餅の特設コーナーを設けたりするなど、この商機を逃すまいと現地の華人などが商売に精を出しています。

 例年、中秋節の2カ月ほど前から始まる月餅商戦ですが、消費者は当然、毎年新しい風味の月餅を求めます。上海でも各店こだわりの「鮮肉月餅」が並ぶので、機会があれば皆さまも中国の食文化に触れてみてはいかがでしょうか。もしかしたら中国での新たなビジネスの可能性を発見できるかもしれません。

20180830094253-60d91107.jpg大杉佳明(おおすぎ・よしあき)さん 大垣共立銀行上海駐在員事務所長。1996年大垣共立銀行入行。海外事業推進部を経て、2015年10月より上海駐在員事務所に勤務。取引先の海外進出支援などを担当。愛知県出身。46歳。

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