ふるさとへの便り
笑顔で接する国民性
インドネシア

2018年09月27日 13:08

アジア競技大会のメイン会場となったゲロラ・ブンカルノ・スタジアム=インドネシア

 8月18日から9月2日まで、インドネシアでアジア競技大会が開催され、日本は75個の金メダルを獲得するなど大いに盛り上がりました。筆者も会場を訪れ、日本選手に声援を送り、数多くのメダルを獲得する姿を見ることができました。中でも、陸上の4×100メートルリレーでは、日本は大差をつけて圧勝。2位にはインドネシアが入り、会場の盛り上がりはすさまじいものがありました。インドネシア政府は同大会の成功を宣言し、ジョコ・ウィドド大統領は2032年東南アジアで初のオリンピック誘致を目指すことを発表しました。

 しかし、現地で観戦してみると、成功宣言の裏に数々の問題点があるように感じました。チケットの販売では、インターネットによる事前販売と当日朝から発売する当日券の2種類がありましたが、ネット販売を請け負っていた会社が大会数日前になりチケットの販売管理ができなくなり、業務を放棄。チケット販売が別の会社に変更されるトラブルが発生しました。直前の変更により、前日までのチケット販売状況の把握ができておらず、当日券を買っても席がないことや、空席が目立っていても当日券は売り切れといった状況も見られました。

 メイン会場のゲロラ・ブンカルノ・スタジアム(東京ドーム約4個分)では、スタジアム内の地図やスタッフなどの案内が不足しており、会場内輸送のバスは行き先が不明瞭で、入場後、競技会場にたどり着くまでに30分以上かかることもありました。競技終了後の観客帰宅用のバスは全く不足しており、出口周辺に人が滞留し、相当の混雑を引き起こしていました。他にも競技中の停電や国旗の落下、渋滞、シャワーが水しか出ないなどのトラブルは日本でも報道された通りです。

 数々のトラブルはあったものの、ボランティアスタッフだけでなく、多くのインドネシア人が最高の笑顔でおもてなしをしてくれました。どんな人にも笑顔で接するのはインドネシア人の素晴らしい国民性であり、日本人も見習わなければならない姿です。彼らは同大会開催で得たノウハウを蓄積し、東南アジア初のオリンピック開催に向けて、明るくたくましく今後のインドネシアを導いてくれると思います。

 20年には東京でオリンピック、26年には愛知でアジア競技大会が開催されます。日本でも礼儀正しさや誠実、正確といった日本人の良さを存分に生かし、レガシーとして未来へ継承できる大会の開催を期待したいです。

20180927131514-c8ee8fd1.jpg中嶋幸人(なかしま・ゆきと)さん 2008年十六銀行入行。大垣、北方、神戸、加納の各支店を経て、今年1月からバンクネガラインドネシア(BNI)へトレーニーとして派遣。養老郡養老町出身。


過去の記事