ふるさとへの便り
子どもに日本語指導
ブラジル

2018年11月08日 10:07

習字の授業の様子=ブラジル

 日本の皆さま、初めまして。私は日系社会青年ボランティアとしてブラジルに派遣されています。任地はサンパウロ近郊の街、イタペセリカ・ダ・セーハ市で、開校83年目の歴史ある日本語学校で日本語教師として活動しています。

 日本の反対側に位置するブラジルは時差もちょうど12時間。中学生の時、地理の教科書に載っていた世界地図のページを思い出します。「日本の私たちが起きる時間(朝7時)、世界の他の国の子どもたちは一体何をしているのでしょう」。私がJICAボランティアの存在を知ったのもそのくらいの時期でした。その時からずっと、いつか参加してみたいと思い続けて、今の私がいます。

 きんぴらごぼうに赤飯、ぼた餅...。1人1品持って集まる「MOCHIYORI(持ち寄り)」では、「母がいつも作っていた」と言う日系人のおばあちゃんたちお手製の日本料理に驚きます。運動会では日伯の国歌斉唱に国旗掲揚。110年前、ブラジルに日本人が入植して以来、この地で脈々と続けられてきた習慣に、現代日本の若者である私はギャップを感じることもありますが、赴任から8カ月がたち、ここにはいまだに強い「コミュニティー」があるのだと分かるようになりました。「日本でまた地震があったってNHKでやっていたよ」と、祖国日本のことをいつも心配している人々がここにはいます。

 ブラジルの子どもにとって日本は憧れの場所。漫画やアニメ、いつか行ってみたいと日本語を学ぶブラジル人の子どもも多いです。最近では、日本での就労可能な在留資格を与える制度が日系4世まで拡大されたため、条件を満たすための試験に向けて日本語学習を開始する生徒、日本で働く父親の元で共に暮らすため、高校進学に不安を抱えながらも準備をしている母子など、ブラジルで暮らす日系人子弟教育のために建てられた日本語学校も時代は変わり、さまざまな目的の学習者が集っています。世界地図をわくわくしながら眺めていた13歳当時の私と同じような年頃の子どもたちに、広い世界を届けることができたらと願っています。

20181108101711-0770178e.jpg福田裕子(ふくだ・ゆうこ)さん 大学院修了後、千葉県立高校英語教師を経て、今年1月より日系社会青年ボランティアとしてブラジルへ派遣。日本語学校で日系人子弟、ブラジル人の子どもに日本語を教えている。岐阜市生まれ。

過去の記事