ふるさとへの便り
14億人のエネルギー
中国

2019年01月31日 10:18

高速鉄道の駅「上海虹橋駅」の様子=中国・上海市内

 中国では毎年12月初旬に翌年の祝日が発表されます。2019年は2月5日が春節(旧正月)に当たり、2月4日から10日は年末年始の大型連休となることが決定されました。

 その間、多くの中国人は帰省したり旅行に出掛けたりするため、毎年民族大移動さながらの大ラッシュとなります。交通機関もこのラッシュに対応すべく特別体制が敷かれ、「春運」と呼ばれる鉄道切符が販売されます。

 ところで、中国における自動車保有台数は2億台前後に達しているといわれています。しかし、14億人近い人口が分母となるため、全体に占める保有割合は日本の59%やアメリカの80%を大幅に下回るわずか14%にすぎず、多くの人は長距離の移動にバスや鉄道を利用しています。

 中国では、移動手段として日本の新幹線に相当する「高速鉄道」がよく使われており、上海の駅構内も毎日多くの人でごった返しています。料金に関しては、日本の新幹線の場合、東京-名古屋間366キロを約1時間41分で走行し運賃は1万360円ですが、中国の高速鉄道の場合、上海-合肥南間450キロを約2時間6分で走行し運賃は約3240円となり、日本の新幹線と比べても非常に安価に乗車できることが分かります。

 しかし、安くて便利な高速鉄道は、春節の時期は例年、乗車希望者が殺到し、乗車券を購入することが大変困難になります。中国の大手旅行会社C―TRIPでは、ネット上での購入予約が可能ですが、実際の購入時には全て抽選になってしまい、その抽選の当選確率も30~40%程度しかありません。しかも往復でのセット購入はできないため、場合によっては片道だけしか購入できない可能性もあります。

 それでもやはり、国土面積が日本の約25倍もある中国では高速鉄道はなくてはならない交通手段であるため、中国政府も毎年膨大な予算を投じて鉄道網の整備を進めています。

 最近よくニュースなどでも紹介されているスマホ決済やシェア自転車、無人コンビニといったITや人工知能(AI)を駆使した新商品の開発が、中国では盛んに行われています。中国の景気後退の懸念がニュースになることもありますが、14億人近い人口がもたらすエネルギーには計り知れないものがあり、引き続き中国のもたらすインパクトにはアンテナを高くしておきたいと思います。

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 村瀬範晃(むらせ・のりあき)さん 1997年、十六銀行入行。岐阜県、愛知県内の支店を経て、2018年4月から上海駐在員事務所に所長として赴任。山県市出身。


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