ふるさとへの便り
教師への礼節根付く
ベトナム

2019年02月21日 11:14

作文の授業でグループワークに取り組む学生ら=ベトナム・ハノイ

作文の授業でグループワークに取り組む学生ら=ベトナム・ハノイ

 「Xin Chào!(シンチャオ=こんにちは)」。私は青年海外協力隊の日本語教育隊員としてベトナムの首都ハノイで活動中です。ハノイの大学で日本語教師として教壇に立ち、1年半がたちました。大規模な大学であるため、これまでに教えた学生数は700人に上ります。その中で私が感じたのは、学生の教師への敬意の強さです。

 ベトナムでは11月20日は「教師の日」です。学生がお世話になっている教師に手紙や花束などのプレゼントを贈り、当日にはパーティーが開かれます。ベトナム文化において、教師を尊敬する精神が人々に根付いている証拠ではないでしょうか。

 特別な日だけではなく、普段の生活でも、日本とは違う学生と教師の関係性を感じることがあります。例えば、ベトナムでは教師のアシスタントのような仕事を学生自身が担います。新学期が始まる際の教科書の手配、教室の準備、授業前後の教師の荷物持ち(パソコンや多くの教科書など)まで学生が行います。教師の指示で学生が働くこともあれば、学生が自ら進んで行うこともあります。

 日本人の私は、学生に雑用をさせてしまっているようで気が引けることもありますが、学生は教師の手伝いを当然のことだと思っているようです。学生が私たち教師と接する時の態度には、いい意味での教師と学生の上下関係、つまり師弟関係が感じられます。

 もちろん、教師という立場だけで尊敬されることに気分の良さを感じているわけではなく、学生と教師の師弟関係にどこか心地よさを感じるのです。教師が偉いわけではありませんし、相互評価という考えは重要ですが、目上の人に敬意を払う精神は見ていて気持ちがいいです。教師として、日本人としてここベトナムで暮らしているとよく「仁義礼智信」を思い出します。発展し過ぎてしまった現代社会に生きてきた私が見習うべき点だと思います。

倉知礼花(くらち・あやか)さん 大学卒業後、2017年7月から青年海外協力隊としてベトナムへ派遣。ハノイにある外国語大学で学生に日本語の授業を行っている。多治見市出身。

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